「放浪記」, 「贈る物語 Wonder すこしふしぎの驚きをあなたに」, PC での「メモ」の録り方, Dyson 来る
「放浪記」
林芙美子著。昔誰かの本でこの本のことが書かれていて、それ以来いつか読んでみようと思っていました。文筆業を生業にしたいと頑張る著者の、東京での生活時に書かれた日記を編纂した本です。時期的には大正時代、なのかな?11部、2部、3部と分かれていますが、それらは時間的な前後関係にあるわけではなく、最初に出したよりぬき編が1部、2番目に「続放浪記」として出版されたやはりよりぬき編が2部、そして戦前は公序良俗に反するとして出版できなかった部分を主に戦後になってからまとめられた3部、という構成になっています。最初このような構成になっていることを知らず、また日記の日付もそれほど正確に記されているわけではないため、時間的にぽんぽんジャンプするその構成に戸惑ったりもしました。
日記を出版したものなので物語というわけではないし、特別珍しいエピソードが含まれているわけでもないのですが、大正期の日本人の生活、暮らしている人たちの考え方などが伝わってきて、なかなか興味深い本でした。全編、「びんぼーびんぼーああびんぼー」という感じのテイストなんですけどね(笑。日本、ってほんの100年くらい前はこういう国だったんだよなぁ、と思い出させてくれる本でした。
「贈る物語 Wonder すこしふしぎの驚きをあなたに」
元は2002年のクリスマスに贈る本、としてまとめられた3つのアンソロジー (他に Mystery と Terror があったそうな) の中の一つだったらしく、それが去年の年末に文庫化されたようです。近所の本屋で年末平積みになっていたのでふと買ってみました。ちなみにこの「Wonder」は編者が瀬名秀明で、Mystery は綾辻行人、Terror は宮部みゆきだそう。
瀬名秀明の本はこれまでにも何冊か読んでいますが、そのたびに微妙な違和感があり、どうも僕的にはすっきり楽しめない系の作家さんでした。そんなわけで本屋でも「どうかなー」と思いつつ手に取ったわけですが、トリにアーサー・C・クラークの「太陽系最後の日 (明日にとどくに収録)」を持ってきている、というところで「買い」(笑。これ、僕もすごく好きな短編なんですよ。最初に読んだのは高校生のころだったかなぁ。
ただ、全編通して読んでみるとやっぱり微妙にすっきりしなくて、どうも僕はこの人とは相性が良くなさそうです。
このシリーズの特徴なのか、本の構成もちょっと変わっていて、いくつかに分かれた章それぞれにテーマが設けられ、そのテーマにふさわしいと編者が感じた短編が紹介されるわけですけれども、その短編に先立って、編者がその選んだ短編への思いを延々語るのですね。時には勢いあまって後で紹介している短編のネタばれを繰り広げてしまったりもしていて、本編に入る頃には編者の先入観ばりばり、という、あんまり小説の楽しみ方としては好ましくないんじゃないかなぁ、という読み方を強要される本でした。僕は途中からあんまり鬱陶しくなって、最初に本編たる短編集を読み、それから編者の紹介文を読む、という風にして読みました。そうやって読むと結果的にはその編者の紹介文のイメージがとても弱くなってしまって、ほとんどあってなきが如しものになってしまうのは、この本のテーマからは外れてしまうのかもしれませんが…(汗。
PC での「メモ」の録り方
これまで僕はずっと、仕事でも紙のノートにメモを録ってきたのですが、会社で新しいモバイル PC (VAIO type G です) を買ってもらったのを機に、PC でメモを録るようにしてみようか、と思いました。
PC でメモを録るとなると、どんなアプリケーションを使うのかが問題になります。メモ帳を始めとするテキストエディタ (emacs まで含む) で録る、という案から、「紙 copi」のような専用アプリを使ってみる案までいろいろ考えた結果、当面 MUA であるところの Thunderbird を使ってメモしてみることにしました。
「Thunderbird を使ってメモを録る」とは、具体的には次のようにします (わざわざ説明するまでもないけどね)。
- 「メール作成」でメモを録り始めます。
- 但しあて先欄は空欄のままとしておき、件名は「課会」「〜定例」といった感じで適当につけます。
- 一通りメモを録り終わったら、「保存」して閉じます。
Thunderbird の場合、メール作成画面から保存を行うと、「下書き」フォルダに日時情報とともに保管されます。
僕の環境の場合、Thunderbird を使うことによるメリットはいくつかあって、
- 僕は Thunderbird を imap 環境で利用しているのですが (デスクトップ PC 側に imap サーバを立てて全てのメールはそこで管理するようにしている)、その場合上記「下書き」フォルダも imap サーバ上に実体は置かれるため、オンライン時にサーバとメールを sync しさえすれば自然とサーバ側へもコピーされます。メモのバックアップという意味でも情報の一元管理という意味でもこれは非常にグッド。「メールの同期」というそもそも必要な作業と同時に行えてしまう、というのも余計な手間が掛からずグーです。ちなみに Thunderbird は imap サーバ利用時でもオフラインで作業が出来るように設計されているので2、線がつながっていない会議室などでも何の問題もありません。
- ノート PC 側には Google Desktop がインストールされているので、メールと同じくメモもそれによって全文検索が可能。そもそもメーラなので当たり前。
- その他、細かい話ですが、1) そもそもメール相当なのでデフォルトで時系列で管理されており、メモとして分かりやすい、2) テキストの本文のほかに、必要な資料を添付できる、3) メモを加工してメールとして出すのも楽 (議事録とか)、4) 機密情報の場合 PGP で暗号化しておける (未検証)、5) そもそも普段メールの読み書きに使っているアプリケーションなので余計なツールを入れる手間がない・操作に慣れている等
などなど、いろいろ便利な部分が数多くあります。
Thunderbird の imap、しかもオフライン環境での下書きフォルダの挙動、というのはあんまりテストされていないからか、いろいろ怪しい動きをすることはありますけれども (例えばオフライン時に作成された文書をオンラインとなる前に削除したりするといろいろ変なことが起こります。削除したりなんだりする場合はオンライン時に行うのが無難)、とりあえず便利に使えています。
そんなわけで、最も利用率の高いアプリケーションが Thunderbird になりつつある昨今なのでありました…(笑。
Dyson 来る
少し前から、「Dyson が欲しくてたまらない病」が発症していました(笑。我が家で使っているシャープの EC-BT2-A も国産サイクロンの中では比較的評判の良い方で、それほど悪い掃除機ではなかったのですが、やっぱりどうも排気がホコリっぽいのが気になっていました3。我が家にはハウスダストアレルギー持ちやら喘息持ちやらいろいろいるので、もう少し排気の綺麗な掃除機が欲しかった、というのが一番大きな理由です。単に排気が綺麗、ということならばもちろん、紙パック式の方がずっと優れた機種がありますが、何となくそれではつまらないので、やっぱり Dyson、ということに(笑。
まだ届いたばかりであまり使っていないのでちゃんとした感想がかけませんが、とりあえずゴツい、吸引力は弱い、しかしごみはちゃんと取れる、細かいごみの分離能力はさすが、というあたりが第一印象。もっと突っ込んだ感想はまた後日。