bird「Elephant」ムーンライダーズ

「Elephant」ムーンライダーズ

テレビで先日放映されたムーンライダーズの特番を録画してあったので見ていたら、彼らが「Elephant」という曲を歌っていた1。彼らの曲は、今まで結構いろいろ聞いてきていたと思っていたけれど、この曲が彼らの曲だったとは知らなかった。実はすごく好きだったんですよね、この曲。昔、よく歌っていた記憶があります (どこで聞いたのだろう?)。僕とムーンライダーズの最初の出会いは高校のころだと思っていたけれど、もっとずっと前に実は知り合っていたのだったと分かって、なんだかとても不思議な感じがしました。

bird「アイの物語」

「アイの物語」

アイの物語神は沈黙せず」の山本弘著。SAK に借りて読みました。読んでいて、「幼年期の終り」やら「ディアスポラ」やら「アシモフのロボットもの」やら過去読んだいろんな本が思い起こされました。いろんなことを思い起こさせてくれる本は、良い本だ。

「神は〜」に続く二作目の長編だそうですが、長編、というよりも連作短編集という趣の本。ただしだからといって幹が細いわけではなくて、とてもバリエーションに富んだ短編たちの中に、これまたしっかりした幹が込められています。そういう意味じゃ、とても「おトク」なお話かもしれない。

ただ、作者の処女長編だった「神は〜」と比較すると、こちらの本は良くも悪くも肩の力が抜けている印象。「神は〜」にはそんじょそこらのポピュラーサイエンス本も真っ青なくらい、雑多な知識が詰め込まれていましたが1、こちらはもっとノリノリで書かれた感じがします。読んでいて最初に感じた印象が、「やけに現代日本っぽい小説だなぁ」というモノだったんですが、いったいこの話の何がそう感じさせるんでしょうね。ラノベや漫画といった現在日本風俗にテイストが近いからかなぁ。

「神は〜」の山本さんの AI に関する本だから、そっち系の薀蓄も山ほど入っているに違いない、というふうに期待してしまうと、ちょっと裏切られちゃうかも。その期待からすると、もっとずっと叙情的なお話です。描かれている AI もとても Typical。

ちょっとラノベっぽいテイストに抵抗がなければ、とても楽しめると思います。個人的には「詩音が来た日」が良かった、と、思う。

bird演奏会

演奏会

先週の土曜日は母校コーラス部の定期演奏会で、僕も最後の OB/OG 合同ステージに乗せてもらいました。が、あれやこれやいろんな理由でなかなか練習にもいけず、結局最後まで自分としては胸を張って歌えるレベルには到達できずに、現役生や他の OB/OG には申し訳ないことをした、と反省しています。ごめんなさい。
僕個人的には久々の思いっきり歌える機会で、アンコール含め5曲が本当にあっという間でした。もっともっと歌っていたかったな。
合同ステージの前にインターミッションがある、というプログラム構成のおかげで、他のステージも全て見ることが出来、とても楽しかったです。簡単に感想をば。
第一ステージ、信長貴富作曲「旅のかなたに」。信長さんの曲らしい、とても綺麗な曲でした。中でも一曲目の「しあわせよカタツムリにのって」が良かったなぁ。現役生のコーラスはとてもまとまっていた印象。指揮者の T 君も落ち着いてました。
第二ステージは、1年生中心に考えられたらしい、演劇仕立てのステージ。テーマは「童謡」だそうで、ウチの子ども達もよく知っている曲も多く、歌あり、笑いありの楽しいステージでした。ステージ全体の構成としては「?」なところもあったけれど、手作り感あふれる素敵なステージでしたよ。
そうそう、指揮者の方が「入り」に苦労されていたのを見て、自分が指揮を始めたばかりの頃を思い出しました (変なところに共感してスミマセン)。僕も最初、なかなか歌の「入り」を分かってもらえず悩んでいたのですが、そんな時に先輩方に教わったのが、「自分も一緒にブレスをするんだよ」というアドバイスでした。指揮をする手や指揮棒だけで皆にぴったり入ってもらうことは難しいけれど、皆の顔を見ながら、自分も歌うつもりで大きくブレスをして見せれば、自然と皆も入ってくれる、というお話を聞いて、始めは少し照れくさかったけど、思い切って大きく息を吸うようにしてみたら、本当に綺麗に入ってもらえるようになったっけ。その後音楽の時間にふと指揮をする事になって、いつもの部活の調子で「ブーッ」と鼻からすごいブレスをしたら、大爆笑になって練習にならなかったりもしましたが(^^;。今にして思えば、指揮法をもっとちゃんと練習していれば悩まずに済んだことも多かったのだろうなぁ。まったく不真面目な指揮者でした。(ここでも) 反省。
そして第三ステージが合同ステージ、鈴木憲夫作曲「祈祷天頌」でした。神話 (?) がテーマの、ダイナミックな曲でした。指揮者の M さんの指揮も立派でした。聴きに来てくれていた同期曰く、「指揮者の彼女が巫女さんのように見えた」そうな。不思議なおまじないを踊りながら引き出す、巫女のようであった、と。
アンコールは「おんがく」と「じゃあね」の2曲。このうち、「じゃあね」は母校 OB の A 君の作曲によるものです。どちらも素敵な小品で (「じゃあね」は『小品』という感じでもないかもしれないけれど・笑)、楽しく歌えました。
演奏会が終了した直後に、OB の練習の段取りなどに奔走してくれていた今年新しく OB になった I 君が、「やっぱり終わったあとの達成感は現役の頃よりも少ないんですね…」と、ちょっと寂しそうに語っていたのが印象的でした。
その後の写真撮影、後片付けも現役の段取りはなかなか良くて、これは一重に部長の K さんの、飄々としつつもツボを抑えた仕切りのおかげに違いない、ととても感心していました。練習時を含め総じて感じたのは、今の現役生は僕らが高校生だった頃と比べると、いい子が多いような気がする、ということ。「いい子」というとネガティブに捉える人もいるかもしれないけれど、あまりそういう意味でなく、なんと言うか垢抜けているというか、明るいマジメさを感じました。

birdPLAYSTATION®Home

PLAYSTATION®Home

かぴのすけが書けというので書く。
この手のアプリケーションは、それこそハビタットの昔からずっとみんなが作りたがるものの一つであったわけで、最近でも「Second Life」なんかが大分話題になっている。PS World デフォルトの仮想空間として、無料でスペースを提供しよう、という発想はまぁアリかもね。
でもほんとの問題はその後だよ。その提供されたスペースの上で、どうやってエコシステム (by 後藤さん) を回していくのかが、まだ今ひとつ見えてこない。
それに、PC と違い基本的にリビングで使われることの多いゲーム機の場合、PC のような「前のめり前提」のデザインではうまくないこともあるでしょう。ゲームは前のめりで楽しむよう作られているから良いけど、この手の目的のはっきりしないツールの場合、かぴのすけの言うように sit back した状態でどう楽しませるか、が結構ポイントな気がする。
案外面白そうと思ったのは、映画館やゲーセンのメタファーがあること。「恋人と一緒に映画を楽しむ」ような体験を Net 上で行えるのだとすると結構楽しいかもしれない。
つまり、コミュニケーション一択だと早々に飽きられるのではないかと。コミュニケーションをベースラインに置き、その上でいろんなエンタテイメントを提案できれば (ボケーっと観光してるだけで楽しめるくらいリッチな世界なら素晴らしい。FFXI やワンダでもそういう気分を味わった僕なんかはお手軽に楽しめちゃうのかもしれないけど・笑)、結構面白いものに育つ可能性はあるかも。
個人的には、思ったよりもいろんなところで大々的に取り上げられていて、少し意外だった。あの手のアイディアはすでに使い古されていると思っていたけれど…。
ところで、「Home」なんかよりも「Little Big Planet」ですよ。子どもと一緒に遊びてー!(笑。

birdWindows Vista の新フォント、メイリオに対する考察, ガーベラ枯れちゃった…, Monotype でのヒンティングの具合

Windows Vista の新フォント、メイリオに対する考察

非常に興味深い。日本語部分にもヒント情報があるフォント、というと、かつて IBM JDK と共に配布されていた Monotype のフォントを思い出しますが、あのフォントもヒンティング on だと日本語部分はかなりガコガコしてたっけ。(しかし視認性はかなり高くって驚いた記憶が。あそこまで『これでもか!』とヒント情報の入れられたフォントは後にも先にも見たことありません。) しかし、マイクロソフトのあのサンプルはちと酷すぎやしないか。ほとんど逆宣伝だよ…。

それにしても Mac OS X では一切ヒント情報を利用してない、というのは知らなかった。ちなみに Linux デスクトップ環境を使っている人は、ftview ユーティリティを使うことで簡単にヒンティング on/off の状態のフォントのレンダリング状況を見てみることが出来ます。確かにヒンティング off の方が文字のバランスは良いですね、大抵1。それに確か、Apple ってアウトラインフォントレンダリングにおけるオートヒントアルゴリズムかなんかの特許を持ってるんですよね。昔、freetype がそのパテントに触れるとか触れないとかで結構問題になったことがあったような。また、同じ TrueType レンダリングエンジンでも、Windows、Mac、freetype と比べてみると、結構違う結果が得られることも多かったような。Linux で常用していたお気に入りのフォント+フルスクリーンアンチエイリアス環境を Windows 上でも再現しようとして、フォントのパラメータまで一生懸命いじって頑張ったけど、結局望むようなレンダリング結果は得られなかったことがあったんだよなぁ…。

ガーベラ枯れちゃった…

去年の年末にもらい、会社で育てていたガーベラが本葉が出る前に枯れてしまいました。寒すぎる、ということは無かったと思うし、水も切らさないよう気をつけていたんですが…。たぶん日照量が足りなかったのだと思う。途中で気がついて、昼間は窓際の日なたに置くようにしたら双葉の色が見る見る濃くなったんですが、どうも時すでに遅しだったらしく、そのまま枯れてしまいました。悲しい…。

Monotype でのヒンティングの具合

せっかくなので、ftview を使ってヒンティングの有無でどんな風にレンダリングが変化するかのサンプルを作ってみました。

アンチエイリアス:on、ヒンティング:off まずアンチエイリアス on、ヒンティング off のサンプル。これが一番バランスが良いですね。ただ小さい部分では少しボケた線が目立つかもしれません。

アンチエイリアス:on、ヒンティング:on アンチエイリアスは on のまま、フォント内ヒント情報を有効にした場合。18 point 以下の場合は文字の線が全て 1 dot で書かれているのがとても印象的。線の太さ、という意味ではとてもよくそろっているが、その分文字のバランスはヒンティング off の時よりも悪い感じ。

アンチエイリアス:on、オートヒンティング:on アンチエイリアスは on のままで、フォント内ヒント情報ではなく、freetype のオートヒンティング機能を有効にした場合。ヒンティング off の場合に近い感じですが、多少線の太さがそろっているような。freetype のオートヒントはそんなに強くは効かない感じですよね。

アンチエイリアス:off、ヒンティング:off そもそもヒンティングというのは、フォントレンダリング時にアンチエイリアスをかけることの無かった時代に、フォントの線の太さのばらつきや字形の乱れを抑える目的で導入された技術です。ヒンティング処理なしにアウトラインフォントをこのくらい縮小してしまうと、こんな感じで読むに耐えない字形に崩れてしまいます。

アンチエイリアス:off、ヒンティング:on しかし、ヒンティングを on にしてあげると、ほらこの通り<何者?(笑。アンチエイリアスのない環境では、ヒンティングの有無で可読性に圧倒的な差が生じることが分かります。

アンチエイリアス:off、オートヒンティング:on アンチエイリアス off の環境では、freetype のオートヒンティングもあまり有効には働かないことが分かります。それでも、ノーヒントに比べれば大分マシかな?

アンチエイリアス:on、ヒンティング:on アンチエイリアス、ヒンティングとも on とした場合の日本語 glyph 付近。線の太さは一様だけれど、ひらがなとしてのバランスはイマイチになっちゃってますね (「こ」や「さ」が小さくなってしまったり)。ただひらがなのしたの縦線、横線の多い文字 (ハングルかなぁ) に注目。このあたりはヒントの有無で大いに結果の異なるところです。

アンチエイリアス:on、オートヒンティング:on オートヒンティングは、やっぱりフォント内ヒントとノーヒントの中間の結果に。

アンチエイリアス:on、ヒンティング:off ヒンティング off の結果は、やっぱりバランスは一番良いけれど、特に下のほうの縦線、横線の多い文字で、ボヤけた線が目立ってしまっています。ただ、上でリンクした記事のコメントにもありましたが、ディスプレイの解像度が高くなればなるほど、そういう欠点は見えなくなるのだろうなぁ。

以上です。楽しんでいただけましたか?(^^

bird検索機能を Google へ変更, Dyson DC12 と DC12plus の違い

検索機能を Google へ変更

これまで、この「memo」ではローカルの検索機能を設置し使っていましたが、Google 先生の検索機能に切り替えてみました。ぶっちゃけ AdSense で見つけたからだったりするわけですが…(笑。
そういや、最近このサイトに検索経由で飛んでくる人たちの中で、Google から来る人の割合が微妙に下がってきているような気がします。何だか妙に Yahoo! モバイルから来る人が多いような。なんでだろ?

Dyson DC12 と DC12plus の違い

…という検索ワードで飛んできている人が少なからずいたようなので、僕が調べた限りで知りえた情報を記録しておきます。

  1. 色が違う。DC12 の方がベースは明るいシルバーで、plus の方はガンメタっぽい感じです。また掃除機下部の排気ダクトも、素の DC12 は透明みたいですが plus は本体と同色の樹脂です。
  2. プレモーターフィルターの要掃除頻度が違う。素の DC12 は半年に一度、plus は1年に一度です。
  3. ラインナップが違う。素の DC12 には、いわゆる「ダイソンデジタルモーター」を使っていない、エントリーラインの「DC12 turbo」というモデルがあり、その上の「DC12 無印」とは本体そのものの作りが違います。plus は一番安い「DC12plus entry」から本体の性能は全て同じです。

僕が知りえたのはそのくらいです。plus は車で言うならマイナーチェンジ、って感じですね。

bird風邪引いた…

風邪引いた…

先週末くらいからおなか壊したりしてちょっとヤバい感じではあったんですが、昨日、いよいよ本格的に風邪っぽくなり会社を休むことに…。喉が痛くてご飯が食べられないくらいでした。
あんまり喉が痛いので珍しく家にあったパブロンを飲んでみたら1、嘘みたいに楽になって驚いた。どうしても会社を休めないときにこれは便利だなぁ。
今日になってのどの痛みは大分和らぎ、その代わりに咳が出てきました。治りかけかな?

bird「EVIL HEART 氣編」

「EVIL HEART 氣編」

EVIL HEART 氣編 武富智著。少年正木梅夫の、合気道と出会う事で始まる成長譚の4巻目です。1〜3巻はヤンジャンで連載してそうなんですが、この巻からはコミックス完全書き下ろし。アマゾンレビューによれば打ち切りっぽく終わっちゃったそうなので、こうやってちゃんと続きが読めるのは非常に嬉しい。

この巻は梅夫の合気道の先生、ダニエルの故郷、カナダでの話がメイン。ダニエル先生の過去に触れ、梅夫はまた一つ成長していきます。梅夫の姉、真知子ちゃんとダニエルの仲も一歩前進?!

これまでの3巻同様、この巻もとても面白かった。雑誌連載でないと単行本の売り上げにも影響がありそうだけど、無事売れてくれるといいなぁ。

そういえばこの本の帯で、今またヤンジャンで連載を持ってることを初めて知りました。単行本をチェックしないと…1

bird「最後のウィネベーゴ」

「最後のウィネベーゴ」

最後のウィネベーゴ コニー・ウィリス著。「航路」「ドゥームズデイ・ブック」、はたまた「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」などで日本では長編のイメージが強い彼女の、これは短中篇集。「女王様でも」「タイムアウト」「スパイス・ポグロム」「最後のウィネベーゴ」の4編を収録しています。ロマンス有りな中2編はやっぱり以前読んだ「リメイク」と印象が似ているなぁ。同じ作者なのだから当然ですけれど。

コニー・ウィリスはとても面白いのだけれど、文体に独特の癖があってあのリズムに入り込めないとイマイチ面白さを味わえない気が1。そういう意味ではいきなり短編集から入るよりも、「犬は〜」あたりのながーい話から入った方が免疫がついてよいのかも。

この本、装丁が良いですね。ちなみにこの本のタイトルの「ウィネベーゴ」はこれのことです。

bird「パプリカ」, Dyson の感想

「パプリカ」

パプリカ 筒井康隆著。去年アニメーション映画になったこの作品、その影響で近所の蔦屋で平積みになっていたので読んでみました。ちなみに映画の方はまだ見ていません。

筒井康隆の話の中では、「七瀬」シリーズなんかに近い感じの作品ですね。やっぱりちょっと浮世離れした、おまえは観音さまか、というようなスーパーウーマンが主人公で、どんどんむちゃくちゃになっていく話の展開も似てる気がする。ジャンル的には SF っぽいけど、実は「ハルヒ」とかのラノベとテイストは近いのかもしれない。ああいうのをもっと脂ギッシュにおっさん臭くした感じ、というか(笑。いや、とても面白かったです。断筆宣言直前の 1997 年の作品だそうで、そういう意味では思ったよりも最近の本なのね。

この本を映画化したのは今敏監督で、今敏監督、というと僕は「千年女優」しか見た事がないのですけれども、この本はあまりにもあのテイストにはまりすぎているようにも感じ、どんな風に映像化されているのか、ちょっと見てみたい、かも1

時をかける少女 そういえば、去年アニメーション映画としてリメイクされ話題になった「時をかける少女」も筒井康隆原作でしたね。去年は筒井原作アニメの年だったのね、実は。そういや、「七瀬」も映画化されるんでしたっけ?>だれとなく

Dyson の感想

Dyson サイクロンクリーナー アレルギー DC12plus 先週買った Dyson DC12 plus allergy のもう少し詳しい感想をば。

サイクロンによるごみの分離性能はさすが
ダイソン、といえばその特許技術でもあるところの「ルートサイクロン」テクノロジー。複雑な構造を持つシリンダー内で高速の空気の渦 (サイクロン) を生み出すことで、ごみと空気を遠心力で分離し綺麗になった空気を排出します。最近は国産でも「サイクロン」をうたった掃除機がいろいろ出ていますが、国産のそれらは実際にはサイクロンによる遠心分離はオマケ程度のもので、紙パック式以前の固定フィルター式とほぼ同じ仕組みだったりするのは有名な話。比較的遠心分離している、と言われているシャープのものにしても、ダイソンと比較するといわゆる一つ目のサイクロン (ダイソンでいうと一番最初の、一番大きいごみが分離される部分) しかなく、細かいごみの分離は結局フィルターに頼っています2。ダイソンの場合、外側の大きなサイクロンに引き続いて、5つの漏斗状の「ルートサイクロン」部を空気が通り、細かいごみはここで再度分離されます。この2段目が効いている感じ。2段目のごみはクリアビン内シリンダーの中に溜まるのですが、本当に細かいちりが溜まっているのが分かりますし、ダイソンの場合もサイクロン部の後にプレモーターフィルター (スポンジ+布っぽいフィルターの2段構成。これもウォッシャブルです) があるのですが、それが1週間掃除をした後もほとんど汚れていません。サイクロン部終端の、最後の空気が出てくるところにもほとんどホコリが溜まっておらず (ちなみにシャープのものは結構すぐにそのあたりがホコリだらけになります)、きちんとサイクロン部でごみの分離が出来ていることが伺えます。ちなみにプレモーターフィルターは1年に一度洗浄する必要があります。
いわゆる吸引仕事率は低い
「サイクロンによるごみの分離」の産む負の結果として、サイクロン部におけるエネルギー損失が大きいためか、吸い込みの強さ、いわゆる吸引仕事率は 250W と国産の掃除機と比較すると非常に弱いです。たぶん今メインで売っている国産機の半分にも満たないんじゃないかしら。モーター自身の消費電力は 1000W と国産のそれと変わらないんですけどね。我が家の前の掃除機も 500W 以上あったようなので、例えば試しに前の掃除機のヘッドをダイソンにつけてみたことがあるのですが、吸い込みが弱くてそのタービンヘッドが上手く回らなかったりしました。「吸引力の変わらない、ただ一つの掃除機」という事実のウラには、実はこんなオチもある (なぜなら国産機の吸引力が半分に落ちたとしてもまだダイソンより上だったりするので)、という点は理解しておく必要があるかも。ただ、その 250W という吸引力が実際使ってみてどうか、というと、僕には必要十分なように思います。付属の「クリーンエアタービン」ヘッドがそのような弱い吸引力でもちゃんと動作するように作られているせいもあるし、確かに床に落ちている豆のようなちょっと重いごみが上手く吸い込めないことがあったりするけれど、そんなときでも例えばヘッドを外して吸い込めばちゃんと吸えます。なにより、その強すぎない吸引力は床以外を掃除するとき、隙間ノズルやブラシノズルをつけて棚の上のホコリを吸う、といった作業がとてもやりやすい、というメリットもあります。なお、我が家は全部屋フローリングで、じゅうたんといえばホットカーペットと足拭きマットくらいしかありません。もし毛足の長いじゅうたんの部屋なんかがある家だと、ちょっとあの吸引力では物足りないこともあるのかも。
ヘッドについて(1)「クリーンエアタービン」ヘッド
標準で付いてくる床掃除用の「クリーンエアタービン」ヘッドは、まぁ悪くはないのですが前に使っていたシャープのものに比べるとちょっと小回りが効かないというか、掃除しにくいところがありますね。タービン回転用の動力をヘッドの横に特別に用意されたインテークから流れ込む空気から得ているのですが、そうでなくても弱い吸引力をそんなところでさらにロスしてしまうのはちょっとアホっぽいし、それにそちらの吸引口にもごみが溜まったりするので掃除が必要だったりするのもマヌケっぽい。もちろん、使えないほどひどい、ということはないし、ウチのようにフローリングばかりならばそもそもタービンを回さない、ということも可能 (というか本来はむしろそうするべき) です。ちなみに、ダイソンの本体に、ヘッドは「ミラクルジェット」を組み合わせるのが最強、という説も…。
ヘッドについて(2)その他ヘッド
僕が買ったのは Dyson のキャニスタータイプ DC12 plus の中でも下から2番目の「Allergy (アレルギー)」というモデルですが3、このモデルには標準の「クリーンエアタービン」ヘッドに加え、隙間ノズル、ブラシノズル、カーテン用ノズル、ふとんノズルがついてきます。このうち、オマケのふとんノズル以外の標準の3つはホースに取り付けておくことが出来、掃除中にさっと付け替えることが出来て、とても便利です。特にブラシノズルが超便利。棚の上や細かいところに溜まったホコリを掻き出して吸い込むのにとても役立ちます。これまで使っていたシャープの掃除機には標準ヘッドのほかには隙間ノズル (それも妙に使いにくい代物) しかついていなかったので、ここは大いに良くなった点だと感じています。
音について
ダイソン最大の欠点としてしばしば指摘される音。確かに超爆音です。それまで使っていたシャープのサイクロンもうるさい掃除機として知られている機種でしたが4、それを上回るうるささです。特に高音が響いて耳障りな感じ。ITmedia の記事では、「音もデザインしています」なんて営業の人はすましていましたが、この点はもっと改良されてしかるべきだと思うなぁ。サイクロンを作らなければいけない構造上、難しいのかもしれないけれど…。あ、あと「クリーンエアタービン」ヘッドが思いのほかうるさいです。タービンを回していると「ビーンゴー」という感じの高いノイズが出ます。
その他もろもろ
あゆみさんにも聞いてみたところ、ゴツさやヘッドの使い勝手はそれほど気にならなかった、クリアビンが本当に透明で、ごみが溜まっていく様が良く見えて楽しい、電源ケーブルの巻き戻りが弱い、排気が全く臭くないのはグー、といった感想をもらいました。そうそう、電源ケーブルはなんだか平たくて硬い安っちいケーブルなんですよね。あと、クリアビンからごみを捨てるときのコツがまだよく分からない。マニュアルに書いてあるように袋に下半分を入れてふたを開くと、確かにその瞬間ごみが広がってしまう事は防げるのですが、ふた自身がごみだらけなってしまって後で掃除するのが大変です。ふたを開く前にクリアビンの底をたたいてごみを落としておいた後、ふたが開くところを下に向けてそっとごみを落とす、というのが今のところベストの方法ですが、ごみが溜まりすぎると出てこなくなっちゃいます。ごみをためすぎないでこまめに捨てるのが吉なのかも。

なんだか長くなってしまいましたが、そんな感じ。そういや (上でも書いたけど) Amazon ではなぜか下から2番目のモデル、Allergy が一番安かったのでそれにしましたが、ダイソンはモデルによって色がことなり、DC12 plus allergy はグレーの本体にメタリックブルーのサイクロン部の組み合わせ5。個人的にはその綺麗なブルーがとても気に入っています。

2/19 少し追記&修正しました。

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