bird自宅 PC のバージョンアップ

自宅 PC のバージョンアップ

自宅で「あゆみさん PC」として活躍してくれている VAIO type.M、VGC-M22/W。なんだかんだいってもう3年近く使っているのですね。
ところで、この間までへそを曲げていた ThinkPad 君の機嫌が直ってきたと思ったら、今度は VAIO 君の HDD から時折異音がするようになってきました。そこで、突然クラッシュされてはたまらないので、HDD を予防交換することにしました。
何しろ買った当時でも 10 万円しなかった最低スペックのマシンのこと、それまでついていたのが 160GB HDD で、とはいえ実はまだたくさんあいていたのだけれど1、どうせなら、ということで今比較的価格容量比の良い 500GB のものに。一気に3倍ですよ!
またそれと一緒に、古い 160GB の HDD からのデータ移行用として、安い USB-HDD ケースも買いました。ちなみに我が家には古い IEEE1394 接続の HDD ケースもあったりするんですが、なんとそちらは BigDrive に対応しておらず、130GB 以上の HDD を繋いでも正常に使えないのです。永いこと PC を使っているといろいろありますなぁ。
さて。通販で一通りパーツをそろえた後、いよいよ HDD 交換です。VAIO type.M はディスプレイ・キーボード一体型の、ちょっとデザインされた PC なので、HDD を交換するのはそこそこ面倒です。今回僕は、こちらのページを参考にさせていただきました。とはいえ、基本的にはそれほど困難なく HDD 交換を完了2。PSX の分解清掃に比べたら楽なものです。(もっとも最近はそっちも、5、6 回と繰り返すうちすっかり手順が最適化されて、今では配線をつなぎなおしたり設置し直したりの方が時間がかかっていたりもしますが…。)
その後、あらかじめ作っておいたリカバリー DVD を使って購入当時の状態に戻し3、ウィルス対策ツールほか、必要なツールをインストールしていき、最後に取り外したほうの HDD を USB-HDD ケースに入れて中身を読み出そうとして、ひとつ壁にぶつかりました。
古いほうの HDD の、Windows XP におけるいわゆるユーザディレクトリ (C:\Documents and Settings\ayumi とかですな) が、なぜか読み出せないのです。どうも読み取り権限がないらしい。
古い HDD は2つのパーティションに分かれており、そのどちらも NTFS でフォーマットされていました。改めて USB-HDD として接続したときも、最初から両方のパーティションとも普通に認識されたんですが、Google 先生などでいろいろ調べてみると、今回のようなケース(NTFS でフォーマットされた外部ディスクを接続)の場合、古いほうの HDD のユーザディレクトリは、(たとえ同じユーザ名を使っていたとしても)別のユーザの所有物とみなされるそうで、しかも普通はユーザディレクトリはそのユーザに対してだけしか読み取り・書き込み権限を許可していませんから、別のマシンにつないで別のユーザで読もうとしても読めなかった、ということのようです。
しょうがないからパーミッションの変更を…と思い、Explorer から該当ディレクトリのプロパティを開いたんですが、ない!肝心のパーミッション変更のための機能が見当たりません。再び Google 先生でいろいろ調べてみて今回初めて知ったんですが、Windows XP の Home Edition では、フツーはディレクトリやファイルのパーミッションや所有者をいじる事は出来ないらしいのです。普段 Linux なんかを使っている人間からすると、そんなんアリ?!という感じです。
とはいえまったく方法がないわけではなくて、Safe モードで起動してやればなぜか変更できます。Safe モードで USB-HDD がちゃんと認識されるのか、ちょっとだけドキドキしましたが、大丈夫でした。そんなわけで無事、ディレクトリのパーミッション・所有者を変更して、必要なファイルを新しい HDD にコピーすることが出来ました。HDD 交換にかかった費用は、しめて1万円と少し、というところ。
ところで今回、HDD を交換するのにどうせ分解するのだから、と、CPU の載せ換えにもトライしてみました。元々 VAIO 君についていた CPU は、最廉価モデルということもあって、Northwood Celeron-128K 2.8GHz、というものでした。Netburst アーキテクチャで二次キャッシュが 128KB、FSB は 400MHz の石ですね。Netburst で二次キャッシュが小さい、という点が結構致命的で、クロック周波数の割にはもっさりした石です。
また、マザーボードは SIS661FX、というチップセットを使ったものであることはデバイスマネージャや各種情報により分かっていました。このチップセット自体は FSB 800MHz、Hyper-threading 対応の Pentium4 にも対応していますので、あとは BIOS さえ対応していれば、理論的にはそのあたりまでいけるはずです。
今よりもクロック周波数が高い石にしてしまうと発熱が心配です。また、Northwood 世代でなくそのあとの Prescott 世代の石も、発熱の割りに性能が良くない、と当時あまり評判がよくなかったため見送ることにして、結果、狙うは Northwood Pentium4-512K 2.8GHz FSB 800MHz Hyper-threading 対応に。
このくらい古い Pentium4 ですと、いまや Yahoo! オークションでは数千円で買えます。僕も今回 4,000 円そこそこで落札することが出来ました。
なお同クロックの石とはいえ、多少は処理能力の高い石に載せ換えるわけで、出来れば CPU ファンも新しい、高性能なものに換えようかなぁ、と思ったんですが、type.M はケース内が狭く、下手なファンを買ってきても取り付けられない可能性があることから、今回は見送りました。今回の交換のための分解の過程でファンの寸法もしっかり測ったので、今のファンが調子悪くなっても、次は大丈夫、なはず。
さてさて。そんなわけで、サーマルグリスだけは新品を塗りなおして、新しい CPU を挿して起動!すると、起動時の VAIO ロゴのあとに出ていた Celeron ロゴが自動的に Pentium4 ロゴに切り替わっていてちょっとびっくり。まずは BIOS 設定に入り、Hyper Threading を「on」に変更しました。このあたりもひょっとして対応してなかったら…という心配はありましたが、同時期に HT 対応の type.M も出ていたし、たぶん大丈夫だろうと。
Windows が起動すると、Hyper-threading 対応となった事でマルチプロセッサ系のデバイスドライバがいろいろ読み込まれて、晴れて無事、CPU の載せ換えも完了しました。CPU 載せ換え時の最大の心配事は実は、サーマルグリスの塗り方など、排熱に問題がないかどうか、だったんですが、その後 CPU 温度を見るユーティリティ等を使いつつ様子を見たかぎり、特に問題はなさそうです。交換の過程で各所に積もりまくっていたホコリも全て吹き飛ばしたせいか、ファンも改めてとても静かになりました。
クロック周波数はまったく変わっていないながら、二次キャッシュのサイズ、Hyper-threading の有無が変わった今回の CPU 交換、結構その効果を体感できているような気がします。Windows がフルリカバリされた事による効果や HDD も新品になっていること、なども大いに影響しているのでしょうが、高々1万数千円の投資としては、満足度の高いバージョンアップでした。
ちなみに、フルリカバリのついでに Windows のテーマもデフォルトの Luna から Royale に変えてみたりして。Luna より絶対完成度高いよなぁ、これ。

birdティッシュ姫とメルト, どうでもいいけどニコ動って

ティッシュ姫とメルト

知っている人はとっくに知っていると思うので、今更こんな事書くのは少し恥ずかしいんだけど、「ティッシュ姫」って、ご存知ですか?ニコニコ動画(以下、ニコ動と略)に、自分でベースを演奏しているムービーを投稿している人で、なぜかたいていいつも「涼宮ハルヒの憂鬱」に出てくる長門有希のコスプレをしているが、愛読書は「オンナノコになりたい!」という女装指南書だし、うp主1さんが作ったらしいページによると「ちんこついてる」らしい。が、彼女(ということにとりあえずしておこう)の性別論争は未だ決着を見せておらず、一説ではセクハラコメントを避けるためにあえて「女装の男性」のふりをしている、という説も。(個人的にはその説はちょっとファンタジー入ってると思うけど^^;)

…って、そんなことはいいのだ。なぜか少し前からニコ動の彼女の動画にはまっています。百聞は一見にしかずなので、まずはとりあえずリンク。本当は愉快なコメントがたくさん見られる下のニコニコ動画版で見てもらいたいところだけど、ニコニコ動画は会員制なので見られない人もいるかもしれないので、YouTube と合わせて。

これはマクロスFの主題歌「トライアングラー」だけど、彼女のムービーとしてはもっとも新しいもの。ちなみに「俺の嫁」と書いてますが、これは「長門は俺の嫁」という定型句から引用しているだけで、別にうp主さんの奥様が弾かれているわけではないらしい(僕も最初勘違いしてた)。つーか前提知識が多すぎて説明がツライな!

自分でも何ではまっているのか良くわからなくて、あゆみさんに聞かれたときもうまく答えられなかったのだけれど、絶対領域2のせい?演奏のせい?しぐさ?<これが一番大きそう。もし本当に女装の紳士(男装の麗人、の対義語(?))だとしても、女性的なしぐさや振る舞いを非常に勉強しているように思える。あゆみさんいわく、「きちんとずっと膝を閉じているところとか女性っぽい」とか。確かに男はずっと膝を閉じているのって結構つらいもんな。

で、ティッシュ姫つながりで初音ミクオリジナル曲らしい「メルト」と(これまた今更ながら)出会う。ちなみになぜ彼女が「ティッシュ姫」と呼ばれているかというと、彼女の演奏するムービーには必ずベッドの横にティッシュが置いてあるからなのだった。ティッシュ箱の数で何本目のムービーかがわかる仕組み。ティッシュ姫の他のムービーもごらんになりたい方はこちらへ⇒馬糞さんの公開マイリスト 俺の嫁にベースを弾かせた動画

「メルト」は、初音ミクのオリジナル曲として去年の秋ごろにニコニコ動画に投稿されたものなんだそうだけど、一時は「メルト祭」が起こるほどの人気だったそうだ。オリジナルの初音ミクバージョンから、普通に人が歌ったもの、[男性側から歌ったもの](_blank" href=“http://www.nicovideo.jp/watch/sm1754685" title="【ニコニコ動画】「メルト」を歌ってみた(男性キー上げVer.))などの派生バージョンが次々誕生して(このあたりがニコ動らしい)、最終的にはデュエットバージョンまで現れた。デュエットバージョンは個人的にかなり面白かったのでリンク。

何が面白いって、これを「デュエット」と呼んでいいのか?!というところ。「メルト」は女性版と男性版で歌詞が違うんだけど、このデュエット版ではその異なる歌詞をそのまま強引にユニゾンで歌ってしまう。だので、音だけ聞いていると両方の歌詞が混ざってしまって、正直聞くに堪えない歌になってる。しかし、歌詞が表示されるムービーを見ながら聞くと、双方の歌詞の内容が実はぴったりシンクロしていて、まるで自分もそのドキドキする場面に幽霊として居合わせているような、なんともいえない不思議な一体感が得られる。なんだか新しい感じ。こういうのもアリだな、と思える。

メルトは非常にポップな曲なわけだけど、実際歌おうと思うと上から下まで2オクターブもあってかなりつらい。「良い」と評判の人間の女性版もいくつか聞いてみたけど、いずれもサビのあたりはかなり苦しく、オリジナルの初音ミク版の持つ「ピュアな感じ(うわーオヤジっぽい!)」が薄れてしまっているように思う。そういう意味では、まったく別のアプローチになっている男性版が出色の出来で、2オクターブも軽々歌いきっているし(最低音はちとつらそうだけど)歌としては初音ミク版を除けばこれが一番いいかも。

ぜんぜん関係ないけど、「メルト」における初音ミクの非人間的な超高音サビ、人間版のがんばるサビをさんざん聞いたあと、オリジナルの坂本真綾版「トライアングラー」を聞いたら、「うわ、これってミクっぽくね?」とか思ってしまった。「トライアングラー」のサビもちょっと無茶なくらい高いけれど、もしこれが初音ミクの曲とすればぜんぜん普通のレベル。現に初音ミク版「トライアングラー」もすでにニコ動には上がっているけれど、彼女はこの曲の最高音部もあっさり歌いこなしている<当たり前だ。実はミク版の方がいいんじゃ…とちょっと思ってしまったのは内緒だ。

というわけで、不思議な縁で知ったティッシュ姫とメルト。目下ワタクシ的に heavy rotation 中なのでした。

しかしこうして見ると、「ハルヒ」の書影をまとめて貼ったとき以来のイカガワシさだなw。いや、中身はけしてイカガワシくはないので安心してください>誰に言い訳しとんじゃ。3ヶ月ぶりに更新したエントリがコレ、というのも俺らしいというかなんというか…(;´Д`)

どうでもいいけどニコ動って

思いのほかあったかいコメントが多いよな。絶賛8割、貶し2割、って感じ。ネタも多いけどな!
パフォーマーにとって、リアルなオーディエンスからの率直な、しかもポジティブなコメントは何よりのエネルギーだろう。

birdThinkPad 調子悪し

ThinkPad 調子悪し

このサイトを動かしている我が家の ThinkPad X20 が最近調子悪いです。
ときどき、ふと気が付くと電源が落ちちゃっています。サーバログを見ても何の痕跡も残っていないので、本当に突然電源断しちゃっているみたい。負荷が高まった時が怪しい感じなところを見ると、冷却ファンが壊れちゃったのかな。
脆弱性を突かれて死んでいるんでないことを祈ろう…1

bird「おかしな二人―岡嶋二人盛衰記」

おかしな二人―岡嶋二人盛衰記

おかしな二人―岡嶋二人盛衰記 岡嶋二人の中の人の一人、井上夢人さんの書いた、岡嶋二人が誕生して消滅するまでの記録です。

岡嶋二人作品といえばこれまで、「クラインの壷」と「99%の誘拐」しか読んでなかった1のに思わずこの本を買ってしまったのは、やっぱり作者の井上夢人さんとナニゲに 2 hop の関係2で親近感を持っていたから、かなぁ。読み始めたとたんの冒頭に「トリックを隠して書くなんて器用な真似は出来ないので覚悟するように」と書かれていて少し後悔しかかりましたが、とても面白くて一気に読んでしまいました。確かにトリックや小説の構成がばっちり書かれてしまっている箇所もあるけれど、かといって二度と岡嶋作品が読めなくなるか、というとそんな事無いので、未読の方もご安心を。我が家の場合むしろ、この本がきっかけで今、岡嶋熱が高まっていたりします。

本書は大きく「盛の部」と「衰の部」に分かれていて、乱歩賞を受賞してプロデビューするまでが「盛」、プロデビューしてから消滅までが「衰」となっています。ミステリー小説とは全く縁のなかった井上さん、徳山さんコンビ3が、もっぱらお金目当てで乱歩賞を取ろうと決心し、何年もの努力の末ゲット、その後プロとして書き続けていく間の赤裸々な苦労話は、とてもリアルで面白い。普段漠然と考えているプロ作家の生活、というものへのイメージが結構変わりましたね。

特になるほどなぁと思ったのは、乱歩賞を受賞してからの怒涛のような毎日について。商業作家としてデビューする、ということはつまり、一定の期間で水準以上のクオリティを持つ作品を量産し続けなければならない、ということを意味する、ってことを初めて身にしみて理解できました。乱歩賞目的で「とりあえずいい作品を一つ書く!」ということを目標にやってきた二人にとって、その後の急なペースチェンジ、量産作業がとても辛かったであろうことは想像に難くなく…。いやはや、プロの作家、というのは大変なんですね。

実はこの本の前には東野圭吾のエッセイ、「さいえんす?」を読んでいたりしたんですが、そっちはクソつまらなかったです(笑。小説はそこそこ面白いのに、なんでエッセイはあんなにつまらないんだろう…という個人的な感想は置いておいて(^^;、そのエッセイの中で、東野氏が最初から量産可能な商業作家を目指して自分で書きうる分量を計算、それに伴って得られるであろう印税額まで綿密に計算してからデビューしていたのと比べると、岡嶋二人のお二方はとても対照的で、面白かった。

bird「昭和のロケット屋さん―ロケットまつり@ロフトプラスワン」

「昭和のロケット屋さん―ロケットまつり@ロフトプラスワン」

昭和のロケット屋さん―ロケットまつり@ロフトプラスワン ロフトプラスワンで今でも準定期的に行われている、「ロケットまつり」で語られた日本のロケット開発の昔話をまとめた本です。「ロケットまつり」に実際足繁く通っている実はかなりディープなロケットガイ、SAK 氏に借りて読みました。

ペンシルロケットから始まる日本のロケット開発の現場を、日本のロケットの父、糸川氏とそれを取り巻く人々の当時の様子を、実際に居合わせ、肌で知る林氏、垣見氏がとても熱く語ってくれます。書かれている内容はとてもぶっ飛んでいて、「おいおい、そんなこと書いちゃって大丈夫なの?!」と思ってしまうほど。もう時効、ってことなんですかね(笑。

生の現場を知る両氏の言葉は軽妙でありつつとても含蓄深くて、思わず引き込まれ一気に読んでしまいました。きっとまだまだ語れない事は多いのでしょうが1、本書はその見た目、文体の軽いノリとは裏腹に、実はとても資料的価値が高いのかもしれない。林さんや垣見さんのような方が生きているうちに (失礼!)、もっともっとお話を聞いておくべきですよ。

ちなみに本書には当時の資料映像を収録した DVD もオマケについていて、これがまたすごく貴重な内容 (失敗して燃えるロケットに消防車で水をかける映像とか見られます・笑)。そういう意味じゃとてもお買い得な本かも。

bird「白夜行」

白夜行

白夜行 東野圭吾著。一昨年の正月クールで放映していたドラマを結構熱心に見ていたので話の流れは大体知っていたんですが、あゆみさんが図書館で借りてきたのを又借りして読みました。

あとがきで馳星周が「主人公二人の内面について全く描くことなく読者に伝える事の出来る東野の才能に嫉妬」とか書いてましたけど<2ちゃんねらーかよ(笑、僕はむしろ主人公二人ではなく、それにより逆に際立っている取り巻く人々の善人性に惹かれましたね。一成さん、栗原さん、友彦君、笹垣刑事、高宮夫妻。これらの人たちの善人ぶりがとても印象的でした。あゆみさんはしきりに、「ドラマを見る前に読みたかった」といっていたけれど、僕はドラマ→小説の順でも楽しめたなぁ。あんなシーンやこんなシーンに具体的なヴィジュアルを当て込めるのがイイ<ヲイ(笑。

しかし主役二人の「20年にも渡る物語」とはいえ、その時代性を語るのにあまりにも有名な事件、オイルショックであるとか阪神優勝、バブルとその崩壊などを使う、ってのは、ちと安っぽすぎる感じがしました。分かりやすくはあるんだけどね。もう少しひねった書き方をして欲しいとおじさんは思ってしまうよ。

birdWindows XP の謎挙動

Windows XP の謎挙動

先日遭遇したとある出来事。外付け USB HDD に Windows XP の My Documents の中の、My Music と My Pictures (それぞれカタカナで「マイミュージック」「マイピクチャ」と見える) をバックアップ1しました。

その USB HDD は主に PS3 に接続して使う予定だったので、PS3 上で使いやすいかな、と思い、それぞれのディレクトリ名を「MUSIC」「PHOTO2」に rename しました。PS3 は USB HDD やメモリースティック等の外部記憶メディア上で音楽データ、画像データを保持するディレクトリ名が決められているのですね (詳しくはこちらを)。

さて、その USB HDD を PS3 に繋ぎ、PS3 の内蔵 HDD に保存してあった音楽データ等をバックアップしようと「コピー」しようとしたところ、「80030514」というエラーがでてコピーできません。なぜだ。

いろいろ調べてみたところ、面白いことが分かりました。

  • コピーできなかった原因は、USB HDD 上の「MUSIC」フォルダに、なぜか「読み取り専用」属性が付いていたことだった。
  • Windows XP で「マイピクチャ」や「マイミュージック」フォルダを外部メディアにコピーすると、なぜかそれらコピーされたフォルダに「読み取り専用」属性が付いてしまう (ただし、Windows 上では普通に書き込めるらしい)。
  • 他のフォルダをコピーしたときや、直接 USB HDD 上にフォルダを作成した時は問題がない。

というわけで、Windows 上のデータを PS3 で使うときや、他のポータブルプレイヤー等で使う際に、意味不明なエラーが出て困っている場合は、「読み取り専用」属性に気をつけてみると良いかもしれません。

しっかし謎な挙動だよな…。

birdあけましておめでとうございます。, Firefox と Gmail

あけましておめでとうございます。

新年 6 日になって書くことじゃないかもしれませんが、あらためまして、あけましておめでとうございます。
2007 年は、前年から引き続いて、なんだかバタバタやってるうちに終わってしまったような一年でした。一昨年のような一大イベントが無く、代わりに小粒のイベントが数カ月おきにやってきていたのがそんな印象の原因でしょうか。
さて個人的な面での 2007 年のトピックはやっぱり、プラズマテレビ購入に伴う、我が家の映像ソースの本格的なハイビジョン世代への移行1でしょう。「放送」という、一般的な家庭における最大の映像ソースがデジタル化され、これがとても快適。これまでのようにアンテナに乗るノイズ源を探して右往左往2、というような苦労を一切しなくて良くなったのはとてもありがたいです。DVD の登場以降、テレビで放送される映画を見ることもずいぶん減っていたんですが (見たい映画は DVD で見るスタイルが定着)、今回テレビだけがハイビジョン化されたことで、あえてテレビで見よう、と思う事も増えました (前に書いたように、放送された映画をスクイーズで録画できるようになったのも嬉しい点)。少なくとも、これで当面 (2011 年以降も) あわてて機材を買い換える必要がなくなったのも良かった。
我が家のプラズマはフルハイビジョンで無いせいか、はたまた PS3 のアプコンの恩恵に与っているからか、これまでの SD ソースもそれほどの違和感なく視聴可能だったのも良かった点。DVD や PS2 のゲームも相変わらず現役です3
なんだか自分の仕事と趣味の事ばかり書いていて、悪い父親ですね>俺。子供たちは最近とても丈夫になって、ほとんど風邪もひきません (親の方がしょっちゅう調子悪くしてる感じがする)。最近は食事の量が劇的に増えてきて、ちょっと今から先行き不安になります(笑。我が家のエンゲル係数は急上昇中です。
2008 年はどんな年になるのでしょうね。総選挙、北京オリンピック、アメリカ大統領選挙あたりが最大のトピックなんでしょうか。仕事方面では引き続き粛々と某マシンのネット環境を充実させることに注力していくことになるのでしょう。個人的にはあまり無駄な散財をしないよう、お財布の紐を引き締めていきたい(^^;。
とにもかくにも、今年もよろしくお願いします!

Firefox と Gmail

最近はすっかり全ての私用メールを Gmail で処理するようになっちゃっていますが (バックアップ目的で念のため自宅サーバへも転送してますが、そっちではほとんど見ていません)、この間から、Firefox で Gmail を見ているときに、「連絡先」が開けなくて困っていました。開こうとするとしばらく「読み込み中」が表示されるのですが、その後何も起こらずに終了してしまいます4
それが今日になって、「設定」画面も開けなくなり、あれよあれよと思っている間にとうとう、受信トレイを始めとするベース画面も開けなくなってしまいました。開こうとすると読み込み中の画面のまま通信が止まってしまいます。ブラウザを立ち上げなおしてみたりしてもダメです。
最初、Shift+Reload のスーパーリロードを試してみたりするも直らず、困ったなぁ、と思っていたんですが、ふと全キャッシュのクリアを試してみたところ、見事全ての機能が復活しました。
Gmail はかつていろいろなところで書かれていたように、いわゆる Ajax 的な手法をふんだんに用いて作成された Web アプリケーションです。そのようなアプリの場合、キャッシュのコンディションによっては今回のようなことが起こりうること、またその場合スーパーリロードも効かず明示的にキャッシュクリアしなければならないことがありうること、ってことですね。
一つ勉強になりました。

bird外付け USB HDD を spin down する

外付け USB HDD を spin down する

今回、Linux box に接続されているバックアップ領域用外付け USB HDD を交換1したんですが、もともとの HDD が一定期間アクセスがないと自動的に spin down (HDD の回転を停止) してくれる省エネタイプのものだったのに対して、今度のものは放っておくとずっと回り続けているタイプのようでした。本体には一定時間アイドルが続くと spin down するユーティリティが添付されているのですが、なぜか Windows 専用。

そこでちょっとググって見たところ、こちらのページなどで、外付け USB HDD でも sdparm というコマンドを使うことで spin down 出来ることが書かれていました。sdparm はすでに debianize されているようでしたので、早速 apt-get で入れてみて、手始めに

# sdparm --command=stop /dev/sda  

としてみると、おお、ちゃんと止まる。止まっている状態でその HDD 上のパーティションにアクセスしてみると、自動的に spin up してくれるみたい。なかなかいい感じ。

さらにちょっと調べて、同じ方のこちらのページからそのものズバリなページに飛び、そのページに書かれた「Shell-only scsi-idle without kernel patch」な shell script を sdparm を利用するように少し書き換えて root ユーザで実行することで、idle 監視、自動 spin down させることにしました。

#!/bin/sh  
  
if [ $# -lt 2 ]; then  
        echo "$0: $0 [DISK] [INTERVAL]"  
        echo "ex: $0 sda 900"  
        exit 0  
fi  
  
disk=$1  
interval=$2  
  
state=`grep " $disk " /proc/diskstats`  
count=$interval  
up=1  
  
while [ true ]; do  
        sleep 10  
        count=$(($count-10))
        newstate=`grep " $disk " /proc/diskstats`  
        if [ "$state" = "$newstate" ]; then  
                if [ $count -lt 0 ]; then  
                        count=$interval  
                        if [ $up = 1 ]; then  
                                echo -e "spin-down: /dev/$disk"  
                                sync  
                                state=`grep " $disk " /proc/diskstats`  
                                sdparm --command=stop /dev/$disk  
                                up=0  
                        fi  
                fi  
        else  
                echo -e "drive is up: /dev/$disk"  
                count=$interval  
                state="$newstate"  
                up=1  
        fi  
done  

実際には上記スクリプトを下記のようにして実行しています。

# bin/usbhdd_spindown sda 900 2>&1 | logger -t usbhdd_spindown &  

いつものように完全に無保証ですのでお気をつけください。HDD はずっと回転させておくほうが長持ちする、という話もありますし…。

birdpdumpfs のアーカイブ領域を移動する

pdumpfs のアーカイブ領域を移動する

僕は現在、この web サーバ等をサービスしている Debign GNU/Linux サーバを、pdumpfs を使って日々バックアップしています1。pdumpfs は、毎日バックアップ対象として指定したディレクトリツリーの完全なコピーをバックアップしつつ、前日から変化のないファイルについてはハードリンクを使うことでバックアップ先ディスクの容量を節約できることが特徴のツールです。pdumpfs のバックアップ先は対象ディレクトリツリーの daily snapshot のような形になっていて、そのまま自由にアクセスできるので、誤って消してしまったようなファイルも後日簡単に取り出すことができます。

ただ、僕のように「メイン HDD のほぼ全域を毎日バックアップ」というような使い方をしている場合、絶対的なディスク領域は確かに節約できるのですが、ディレクトリエントリの数 (見た目のファイル数) がべらぼうな数になります。そのべらぼうな数のファイル (ハードリンクされたファイル) が、いざ pdumpfs のアーカイブ領域 (pdumpfs のバックアップ先) を移動しようと思った時に、やっかいな障害になります。

今回、アーカイブ先として使っていた外付け USB HDD を交換したいと思い、別のやっぱり外付け USB HDD にアーカイブ全体をコピーしようとしました。

最初、何も考えずに tar を使って次のように実行してみました2

# (cd /mnt0 && tar cf - *) | (cd /mnt1 && tar xvfp -)

一番最初にトライしたときは、2つの USB HDD を USB 1.1 のホストに接続していたため (ThinkPad X20 の本体 USB 端子はなんと USB 2.0 未対応なのです)、df で確認した転送スループットを元に軽く計算してみたバックアップ完了までの時間がとんでもないことになりそうだったので、早々に止めて、急遽 CardBus の USB 2.0 インターフェイスカードを 3,000 円くらいで買ってきて繋ぎなおしました。

さて二度目のトライ。最初のうちこそ順調に処理されているように見えたのですが、大量のハードリンクを含む pdumpfs 領域を処理し始めると、tar のプロセスサイズがみるみるふくらみ、CPU 利用率も 100% に張り付き、最後にはマシンがダウンしてしまいました (昨日このサイトにアクセスできなかったのはそのダウンが原因です)3。何か別の手を考えなければなりません。

僕が pdumpfs でバックアップを取り始めたのは去年の 8 月くらいのようですが、そもそも、去年の8月からのすべての daily backup を保存しているのはちょっと無駄です。元々その外付け HDD の容量が逼迫してきたら、一定期間よりも古いバックアップは順次消していこう、と考えていましたが、軽くググってみたところやっぱり似たように思っていた人はいて、pdumpfs-clean というツールが作られていました。僕は単純に「一定期間よりも古いものは全削除、それ以降は全保存」としか考えていませんでしたが、このツールは「古くなるに従ってだんだん密度が薄くなっていくような残し方」ができるようになっています。つまり、直近 30 日はすべて残すけれども、それより古いものは週次、月次、年次でのみ残す、という指定が可能になっています。

早速このツールをダウンロードし、以下のように実行してアーカイブを掃除しました。

# ./pdumpfs-clean -k 99Y99M99W99D -v /mnt0/time_machine  

pdumpfs-clean のおかけでかなりアーカイブ先のファイルも減り、うまくすれば今度は tar でもうまくいくかもしれなかったんですが、どうせなら、と思い、pdumpfs のアーカイブを移動する方法をググってみました。すると、鵜飼さんの次のような記事を見つけました。

pdumpfsした領域をコピーする時は、rsyncしてpdumpfs -d 日付 でがんばるよりも、昨日のぶんをcp –link -aしてきてその上にrsync -a –deleteかけるほうが早いような気がするがどうだろうか。

鵜飼さんの示されたサンプルコードは下記の通りです。

today=2002/06/04  
end=2003/12/31  
mkdir -p /archive/${today}  
while test "$today" != "$end"  
do  
 cd /archive/${today}  
 rsync -a --delete hikaru.fsij.org::archive/${today}/ .  
 tomorrow=$(date -d "next day ${today}" +'%Y/%m/%d')
 mkdir -p /archive/$tomorrow  
 cp --link -a . /archive/$tomorrow  
 today=${tomorrow}  
done  

そこで、上記鵜飼さんのスクリプトを若干修正して4、以下のようなスクリプトでコピーしてみることにしました。

#!/bin/bash  
  
if [ $# -lt 4 ]; then  
        echo "$0: $0 [START_DATE] [END_DATE] [SRC_DIR] [DST_DIR]"  
        exit 0  
fi  
  
start_date=$1  
end_date=$2  
src_dir=$3  
dst_dir=$4  
next_date=""  
before_date="x"  
  
copySnapshot() {  
        echo -n "Copying ${start_date} "  
        mkdir -p ${dst_dir}/${start_date}  
        echo -n "."  
        cd ${dst_dir}/${start_date}  
        echo -n "."  
        if [ -d "${dst_dir}/${before_date}" ]; then  
                cp --link -a ${dst_dir}/${before_date}/. .  
        fi  
        echo -n "."  
        rsync -a --delete ${src_dir}/${start_date}/ .  
        echo " done."  
}  
  
while [ "$start_date" != "$end_date" ]  
do  
        copySnapshot  
        next_date=$(date -d "next day ${start_date}" +'%Y/%m/%d')
        until test -d "${src_dir}/${next_date}"  
        do  
                next_date=$(date -d "next day ${next_date}" +'%Y/%m/%d')
        done  
        before_date=${start_date}  
        start_date=${next_date}  
done  
copySnapshot  

今のところそれなりにうまく動いている感じですが、完全に無保証ですので利用される際は注意してください。

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