birdおいでよロコロコ!! BuuBuu Cocoreccho!, カワセミ

おいでよロコロコ!! BuuBuu Cocoreccho!

ファンブックの特典画像から引用 先週 PLAYSTATION(R)Store で発売になった、LocoRoco の PS3 用新作「おいでよロコロコ!! BuuBuu Cocoreccho!」を買いました。実は我が家は一家そろって LocoRoco (以下ロコロコ) の大ファンで、みんな大好きです。ファンブックまで買って、そこに乗っていた各種の「ロコロコの歌」を、子ども達はそらで歌えるくらいです。

そんなロコロコファンの我が家の面々にも、今回の新しいロコロコは大好評でした。PSP の最初のロコロコは、惑星さん (地面) を操作し傾ける事でロコロコ達を誘導しましたが、今回は「Cocoreccho (ココレッチョ)」という蝶を操作して、BuuBuu という鳴き声 (蝶の鳴き声とはこりゃいかに?) でロコロコ達を誘導します。

PS3 版の「ココレッチョ」を遊んでいて強く思ったのは、「マリオ」や「ソニック」と違うロコロコの面白さは、ロコロコ達を直接操作するわけではなく、PSP 版なら惑星さん、PS3 版ならココレッチョによって、おのおの勝手な意思を持っている (ように見える) ロコロコ達を「誘導する」というところにあるのだ、ということです。それでも PSP 版の時は、ほとんどの時間、ロコロコ達を一塊にしておくことが多かったでしょうし、「地面」という、ロコロコ達に直接触れる部分でその行く手をコントロールできましたから、そういう「誘導する」という感覚は希薄だったかもしれません。しかし本作の場合、最大 200 体にもなるロコロコ達が勝手気ままに遊びまわっている中で、ココレッチョの声と「頑張れアピール (○ボタン連打でロコロコ達がいろいろ頑張ってくれます)」、モーションセンサーと直結した「ムイムイ」ギミックだけで誘導していかなければなりません。前作と比較すると、「ロコロコ達を自由に動かせる」という感覚はほとんどなくなり、その代わりに広大なステージで自由に遊ぶロコロコ達の自発的な「動き」を強く意識させるようになりました。ココレッチョとしてフィールドを飛び回っている中で見つけた面白そうな場所へ「BuuBuu!」とロコロコ達を誘導し、時には「頑張れ」アピールでもって隠し部屋へといざなってみる。結果として新しいロコロコが沢山仲間になってくれたり、新たな遊び場へのゲートが開いたりと、次々楽しいことが広がっていきます。

初代のロコロコは、ほとんど「横スクロールステージクリア型アクション」であり、マリオやソニックと同じジャンルのゲームでした。しかしこの「ココレッチョ」は、ロコロコとしての大事な部分は失わずに、全く違うジャンルのゲームとして進化しているように感じました。

この内容で 800 円という価格はとても良心的かと。お薦め。

カワセミ

衝撃のカワセミ画像…だが、小さすぎて全く見えない(笑 今日は小雨が降ったりやんだりのお天気でしたが、子供達と一緒にまた、都立大 (おっと、首大でしたね) 探検に行きました。

子供達の当初の目的は、理工学棟の裏の池にいる大きな鯉へ餌をあげること。一人一枚食パンを持って、餌を求めてバシャバシャ水を叩く大きな鯉に、キャーキャー言いながら餌をあげていました。

餌も大体あげ終わって人も魚も人心地ついたところで、池の上を小さな鳥が一羽飛んできました。最初、スズメか何かかと思ったんですが、見るととても綺麗な青い羽をしています。すわっ、と思い枝に止まったその姿によく目を凝らしてみると、なんとカワセミでした。

こんな家の近所 (数百メートルしか離れてません) にカワセミがいるとは思っていなかったのでちょっとビックリしました。とても嬉しい遭遇でした。

bird残暑、でも, 英語の勉強

残暑、でも

最近、週末ごとに鳥乃の一輪車練習に付き合っているような気がします。
鳥乃に一輪車を買ってあげたのはついこの間だと思っていたのに、もうすっかり乗りこなしていて、子どもは上達が早いなぁ、と感心してしまいます。
ところで、残暑の厳しかったこの週末、いつものように鳥乃と外で遊んでいて、ちょっとした違和感に気がつきました。まるで夏のように暑いのに、セミが全く鳴いてないんです。ちょっと前に鳥乃と近所のヨシヒロ君と遊んだ時はまだうるさいくらい鳴いていたのに。
夜のコオロギはにぎやかです。もうすっかり秋なのですね。

英語の勉強

同僚 O 氏に借りた「速聴の英語―聴けなければ話せない」なんて本にインスパイヤされて、通勤時間にちょっと英語の勉強をしてみようか、と思い立ちました1
といっても教材を使って…というようなマジメなものじゃなくて、僕の場合「自然な英語を聞く」という機会が圧倒的に少ないのが問題な気がするので (このあたりが上の本の影響です・笑)、行き帰りの電車の中で、PSP を使って英語音声、英語字幕で映画を見る、という方法を試してみることに。
とりあえず「ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]」とか見てみよう、と思っていたら、O 氏から「ワーとかギャーばっかりで勉強にならないんじゃない?」というご指摘が。うーん、ごもっとも(^^;。
とはいえ、なんだかんだいって結構勉強になりましたよ。仕事上のメールのやり取りでは最近はずいぶん読めるようになってきたけど、やっぱり日常的なスピードで交わされる生の英語だとまだまるでダメ。まぁこの映画は絵を見ているだけでストーリーが分かる、てなもんだから楽しめたけど、言っている事は 10% くらいしか理解できなかった感じがするなぁ。精進精進。

bird「サブカルチャー神話解体」, 「ラギッド・ガール―廃園の天使〈2〉」, 「ウンコな議論」, ずいぶんながいこと

「サブカルチャー神話解体」

サブカルチャー神話解体―少女・音楽・マンガ・性の30年とコミュニケーションの現在 宮台真司・大塚明子・石原英樹著。60 年代から 90 年代にかけてのサブカルチャー1、中でも少女漫画、音楽、少年漫画、性風俗について、言いたい放題語っている本(笑。会社の同僚、O 氏に借りて読みました。

いや、いちおうこの本が書かれたのは 90 年代で、結構ちゃんとしたフィールドワークに基づいた分析とかも行ってて、当時結構話題になってたような気がするんですけど、今読んでみるとほんと、自分らの経験、つまり若い頃なら結構誰でも経験のある、興味のある事柄について仲間内で喧々囂々やりあった議論に基づいているとしか思えない、ひどく独善的ながら納得性のある議論が目くるめく展開されていて(笑、まったくもってチョー面白い本でした。使われている言葉なんかは結構難しくて、そのあたりも「議論好きの文化部 (運動部に対する意味の) 出身者」という香りがプンプンして、ちょっと懐かしい感じがしたり。僕も筋金入りの文化部ヤローだったので…。「諧謔趣味の議論好き」のかもし出す、鼻持ちならん居心地の悪い世界、というのにもとっても身に覚えがあるなぁ(笑。イヤマッタク、進学高の文化部なんて今もきっとそんなやつらのスクツ (←なぜか変換できない) ですよ。

あんまり面白い本だったので、増補版となっているらしい文庫を僕も買ってみようかと思いました。ところで作者は僕らより一回り年上なので、僕らと同世代の人がこんな感じの本を書いたら、どんな事を書くのかとても興味があります。誰か書いてないのかなぁ?

「ラギッド・ガール―廃園の天使〈2〉」

ラギッド・ガール―廃園の天使〈2〉 飛浩隆著。先日読んだ「グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉」の続編で、前作でも印象的に語られていたジュリーとジョゼ、そして硝視体 (グラス・アイ) の出会いが語られる「夏の硝視体」、『数値海岸』の誕生の物語であり表題作の「ラギッド・ガール」、やはりリアルワールドと数値海岸のもう一つのかかわりを記した「クローゼット」、『大途絶』の真相の物語「魔述師」、そして前作のラスボスであったランゴーニの物語「蜘蛛 (ちちゅう) の王」の5編からなる中短篇集。

前作で残された謎に対する、いわゆる「種明かし編」となる2作目ですが、そのかなりの部分が明らかになるとはいえ、まだいくつか大きな謎が残されています。それらの解説は第三部のお楽しみ、ということなのでしょう。今作で次々明かされる謎も、それほど意外と感じるものはなく、丁寧に物語の密度を増していっている、という印象。前作では封印されていたという SF 的背景説明についてもそんなに斬新なところはなくて、そんなところも「ハイペリオン」シリーズとの類似を感じさせる部分かもしれません。

結論としては、面白かったです。三作目が出たらまたちゃんと読もう、という気になりました。

「ウンコな議論」

ウンコな議論 ハリー・G・フランクファート著、山形浩生訳。57ページの本編に、47ページの訳者解説がついている、という変な本。これも O 氏に借りたんですが、O 氏的には「訳者解説の方が面白い」とか。

「ウンコな議論」とはすなわち、おためごかし、屁理屈、その場を取り繕うためだけに繰り出される、どうでもいい議論のこと。山形氏が解説で上げている例としては、当時の民主党岡田代表の質問に対して小泉首相が返した言葉、「人生いろいろ」などはウンコな議論の最たるものなのだとか2。フランクファート氏曰く、嘘はまだ真実に対する視点を持つだけマシで、ウンコな議論は「真実だろうが嘘だろうが関係ない」とそもそも物事の真理性への意識を放棄している時点で、より有害なのだそう。そう言われるとそんな気もする。山形氏が上げている他の例、東南アジアのとある国の大臣のお言葉 (これがまた激しくウンコなんだ) が超面白かった。

ずいぶんながいこと

書いてませんでした。僕の日常は相変わらずで、最近変わったことといえば会社パソコン (Windows XP マシン) のテーマを変更したくらいでしょうか。今は無き (なんて書くと怒られそう・笑) Zune のテーマを拾ってきて入れてみました。これ、なかなか Good ですヨ。

bird「暴走するインターネット」

「暴走するインターネット」

暴走するインターネット―ネット社会に何が起きているか 鈴木謙介著。「ビジネス論より文化論が好き」という同僚 O 氏に借りて読みました。

インターネットとはなんなのか?ということを、文系の人が一所懸命考えた、という趣の本です。著者の専門は社会学やら政治やららしいので、テクニカルな面への言及が非常にイイカゲンなのはまぁ目をつぶるとして1、本業なはずの社会学やら哲学やらなにやらからの引用も非常に浅薄なイメージなところはマイナスかなぁ。「〜というのは要するに」とか「〜というのはつまり」というような、一言で言えば、的論説が多いので読みやすいことは読みやすいのかもしれないけれど、テーマがあちこちに散逸して、本書を通して主張したい一貫したテーマ、が見えないので、読み終わった後あまり何も残らない。

O 氏曰く、「この本そのものを楽しむというよりも、この本はネタとして使って、この本で多々言及されている原典にあたるが吉」とのことなんで、まぁそういう本なんでしょうね。紋切り型の議論に落ちこまないよう、しきりに気を遣っているあたりにはちょっと好感が持てましたけれど。

bird「グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉」, マスコミの世論誘導?

「グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉」

グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 飛浩隆著。まつたけさん曰く、「廃園の天使〈2〉のラギッド・ガールもあわせて、ハイペリオン並みの面白さ」とのことだったので、読んでみました。「数値海岸 (コスタ・デル・ヌメロ)」と呼ばれる仮想リゾート (「セカンドライフ」みたいなモン) の一つ、「夏の区界」を舞台に繰り広げられる戦争の話。セカンドライフと違うのは、人間ももちろんいる (正確には「いた」かな?) のだけれど、主役が AI (つまり NPC) である点。今のネトゲの NPC はそれこそ決まりきったせりふしかしゃべらない人形だけれど、この本の AI 達は人間と同じように考え、感じる存在として描かれています。

読む人によって、「美しい話」と感じる人もいれば「醜悪な話」と感じる人もいそうな、そういうちょっととんがった話です。戦争の話なのでいろいろと悲惨なエピソードがあるのですが、登場人物が全て AI であることから、それらがヒトの場合とは異なる感触となって、ちょっと不思議な感じです。生々しくない、という意味ではないですよ。描写自体はちょっと気持ち悪くなるくらい生々しいんですが、それらがあくまでも「仮想」である、という設定からくる距離感が微妙。一番近いと感じたのは、「MATRIX」シリーズにおける現実と MATRIX 内の質感の違い、かな。ちなみに僕は、MATRIX からの影響をラスト含め随所に感じました。また、すこし「AI 相手なら何をやっても許される」という感じがするところが個人的には気になりました。作者はそんな風には思っていないのかもしれないけれど…。

とはいえ、とても面白い小説でした。この本ではまだ、いろいろな謎が解決されないままに終了してしまうのですが、僕はそれでも十分面白いと思いました。そのあたりは確かにちょっと「ハイペリオン」っぽいかも。2巻では、この本で謎だったかなりの部分が語られているそうなので、文庫化が今から楽しみです<単行本で買えよ(笑。

マスコミの世論誘導?

ネットでいろいろな人のブログを読んでいると、しばしば「マスコミの陰謀」とか「世論誘導」とか「洗脳」といったコメントを目にします。僕自身はあまりその手の印象を持った事がなかったので1、なんでだろう?と思っていたんですが、先日、少し分かったような気がしました。
たぶん思うに、マスコミから発せられる感情、意見、嗜好等が自分のそれとマッチせず、違和感を感じたときに、(何しろマスコミは強力な影響力を持つものといわれていますから) それを強制されていると感じ、「陰謀」と感じているのかもしれません。僕の感覚では、マスコミの発する感情や嗜好は単なる多数の人の最大公約数的なそれに過ぎないように感じていますから2、あんまり気にすることないと思うんですが (政治家のように、そういう多数意見が重要な人は別として)、まぁ気になる人には気になるのでしょうね。
そういう意味じゃ確かに、多数派の感情、つまり「一般的な」感情である点に重きを置いて、自分が一般人だと信じている人が、違和感を感じた際に「陰謀 (またはバイアス)」を感じる、というロジックは理解可能です。ただそういうときも、そもそもその「一般人」という概念自体があいまいなものだし、自分に対してもマスコミに対してもそういうものを期待する方が不毛な気がするんですけどね。
「一般人」「常識人」たらんとするよりも、「偉人」になった方がいいじゃん。なんちて。

birdアドエス使ってマス, VIERA 新機種

アドエス使ってマス

宣言どおり、買いましたよ、Advanced W-ZERO3[es]。それまでの WX310SA にあんまり思い入れがなかったせいもあって、普段使いの端末としては非常に満足。リナザウ君を持ち歩かなくても良くなった (アドエスをミュージックプレーヤとして使っているので) のも嬉しい。
ただ、Windows Mobile と付属ソフトのバグの多さはかなり…な感じ。Opera はしょっちゅうハング1するし、W-ZERO3 メールは「決して受け取れないメール(受け取ろうとすると異常終了してしまう)」があったりするし2、所詮 Windows、アプリのクオリティはこんなもんなんですかねぇ…。

VIERA 新機種

Pioneer の「KURO」に引き続き、早くも出ましたねぇ、Panasonic の冬商戦用プラズマ VIERA 新機種群。37 型プラズマがディスコンになって液晶に取って代わられ、その代わりに普及機、上位機双方で全モデルフル HD 化、と、Pioneer がハーフ HD モデルも残してきたのに対して、Panasonic はずいぶんアグレッシブに来ました。
しかしフル HD 化された弊害として、どのモデルも年間消費電力量が 400kWh を超えてる(汗。ハーフ HD のプラズマや液晶の AQUOS なんかだと 200kWh 台だったので、電気代は大幅アップです。僕は今の時代、「省エネモデル」としてハーフ HD のモデルも残しておいても良かったんじゃないかと思うんですけどねー。余計なラインを維持する方がコストがかかる、ってことなのかなぁ…(今回、普及機も上位機もパネル自体は同じみたいですしね)。

birdプラズマテレビの画質

プラズマテレビの画質

考えてみれば、液晶ディスプレイの絵、というのはもう PC のディスプレイとして 10 年以上見慣れたものなわけです。しかし、プラズマテレビについては、そら電気屋の店頭で見ることはあっても、自宅でじっくり見たことはなかったわけで、改めて自宅にやってきてみると、いろいろと新しい発見がありますネ。
そもそもプラズマテレビというのは、ブラウン管や液晶のようにアナログ的に各画素の輝度階調を制御できないため、「パルス駆動」と呼ばれる、各画素を連続的に光らせる (時間積分する) ことで階調を表現する方法を用いています。そのため、特に階調表現においてブラウン管や液晶テレビとの違いが目立ちます。
まず、「プラズマの欠点」として以前からあげられていた (らしい) 擬似輪郭 (前に「マッハバンド」と書きましたが、そういう意味で用いられていることも多いとはいえ、本来の「マッハバンド」は違う意味らしいですね) については、最近のモデルはかなり改善されている…とはいえ、相変わらず動画像としては時々目立つシーンがありますね。特に、そもそもグラデーションがなだらかな部分で目立つせいもあって、人の頬などにくっきり擬似輪郭が現れてしまうことがあります。(あと、画面上本来平板な部分に唐突に妙な影が躍ることがあったりするのが気になります。微妙な階調の変化があるのでしょうが、その「微妙さ」を微妙に表現できずに、必要以上に派手に表示してしまう事が時たまあるのですね。) スペック上は「各色最大 16bit 精度の階調」を誇っている VIERA ですが、特に画像が激しく変化するシーンなどではそこまでの階調が出ている感じはしませんね。落ち着いた絵ではとても綺麗なグラデーションを見せてくれるのですけれど…1
面白いのは、地デジや地アナ、また D 端子接続の PSX での DVD 再生時にはほとんど擬似輪郭や唐突な影が気になることはなく、もっぱら HDMI 接続の PS3 での DVD 再生時に気になるシーンが出てくることです。想像するに、TV に内蔵されたチューナからの映像、またアナログソースからの映像には、Panasonic 御自慢の擬似輪郭低減処理が的確に働くが、HDMI によるデジタルソースの場合、そのあたりの処理がバイパスされてしまって結果的に擬似輪郭が発生してしまっているのではないでしょうか。
また、これも時間積分による階調表現による結果なのだと思いますが、映像がパンする時になどに輪郭部にざわつきを感じることがあります。液晶における残像の代わりなのだと思えば個人的にはモーマンタイ。
もう一つ面白かったのは、画面内に大きな輝度変化を伴うオブジェクトが存在する場合、かつての STN 液晶のように、そのオブジェクトの水平、垂直方向に、微妙に輝度変化を伴う影が見えることがある点です。プラズマテレビってどうやら昔の STN 液晶と同じ、単純マトリックス方式で駆動されているらしいので、たまに誤発光してしまうことがあるのかもしれませんね。
パイオニアのプラズマは予備放電が非常に暗く出来ていることが特徴だそうですが、Panasonic のプラズマはそこまで目立たなくは出来ていない感じ。正常に信号が入っているシーンでの完全な黒の部分に目を近づけてみると、ざわざわとまばらに発光する緑の画素が確認出来ます (緑しか発光していないように見えるのだけれど、それで十分なんですかね?)。テレビから数十センチも離れてしまうともう見えなくなっちゃいますし、それによって黒浮きしたように見えるか、というと、全然そんなことはありません。
7/22 追記。上で予備放電について書きましたが、黒い部分でパラパラと見える発光は、入力信号が本当に全黒 (RGB 全て 0) の時にも見える=予備放電ではなく、単に入力信号が RGB 全て 0 ではないだけかも。というのも、PS3 に 1.80 の時から加わった「HDMI フルレンジ」オプション (8bit 色深度の時ならば 0〜255 まで使い切るオプション。通常 (リミテッド) 時は 16〜235 の範囲しか使わないのです。詳しくはこちらを参照) を「フル」にしてみると、黒の部分が本当に真っ黒に見えるようになったので… (ただ僕にとっては「フル」にしてしまうとちょっと黒の沈み込みが急すぎるように感じるので、「リミテッド」のままで使う予定)。そうなると、いわゆるプラズマの予備放電、というものもすでにほとんど気にしないで済むくらいのものなのかもしれませんね。
とかなんとか、未体験デバイスであるプラズマを堪能する毎日です(笑。

birdプラズマテレビ購入記, AV ラック

プラズマテレビ購入記

Panasonic VIERA 42V型地上・BS・110度CSデジタルハイビジョンプラズマテレビ TH-42PX70 以前に何度か書いたことがありますが、我が家には僕の実家から拝借してきた Sony の最初期の WEGA、KV-29SF というテレビがあって、4:3 のフラットブラウン管ながら良い映りで、とても気に入っていました。何とかこのまま 2011 年のアナログ停波まで頑張るぞっ!と思っていたのですが…。

前から何度か、電源を入れようとしても何度かリレーのカチカチ音がするだけで、その後電源 LED が赤く点滅して映らなくなってしまうことがありました。でもそんな時も、あわてず騒がず電源ケーブルをコンセントから抜き、10時間以上ほったらかしておくと自然に治っていました。

ところが最近、その「電源が入らなくなってしまう」状態にしばしばなってしまうようになり、治すためにコンセントを抜いておくのも20時間以上放っておかないとダメだったりと、いよいよ調子が悪くなってきました。

我が家の場合、PSX で帯で録っている番組がそこそこ多く、長時間 TV でチェック→削除できないと、あっという間に PSX の HDD がいっぱいになってしまいます。困った!1

ところで常々、今は TV の買いにくいタイミングだなぁ、と思っていました。最近の人気があるのはなんといっても液晶テレビですが、僕は液晶テレビのあの「残像」が苦手なんですよね。なぜか頭が痛くなってくるのです。ちょっと前からトレンドとなっている、その「残像」対策のいわゆる「倍速駆動」も、もともと存在しないコマを捏造しなければならない、という時点で、かなり無理のある、もっと言っちゃえばあまりスジの良いとはいえない技術であるように感じていました。実際、有効なシーンがかなり限定的だったり、補間が誤動作して変な画面になってしまったり、入力に対するディレイが増大したりと、良いことばかりではない、という話を聞きます。

対してプラズマテレビも、扱うメーカーがどんどん減ってきて、明らかに斜陽な雰囲気を感じていました。ましてやリアプロはプラズマ以上に選択肢がありませんし。

そんなわけで、きっと 2011 年頃には、もっと根本的に違う、ずっとマトモなテレビが出てきているに違いない、と、淡い期待を抱いていたのでした2

そんな風に思っていたところ、なんとも運悪く TV が壊れてしまった、ということで、半ば強制的に新しいテレビを検討せざるを得ない状況に陥ってしまい。でもまぁ調べ始めてみると、やっぱり「新しいテレビ〜」と楽しくなってくるのがテッキーの悲しい性というもの(笑。

新しいテレビを買うにあたっていろいろ検討してみました。まずサイズ。それまで 4:3 の 29 インチでしたから、ワイドならば 37 型以上くらいが良い、というのが、かなり昔からの定説だったように思います。最近では、例えば Panasonic のカタログなどには、29 インチからの移行ならば 42 型がお薦め!なんて書いてあったりします。というわけで、予算の都合もあって、37〜42 型くらいで検討を始めました。

このくらいのサイズは、ちょうど現在の売れ筋でもあり、またプラズマテレビの最小サイズでもあります。42 型くらいになると、液晶の方は結構ハイエンドに近い世界になっていて、どのメーカーも Full HD の気合の入ったモデルを用意しています。ただしその反面価格は上がって、軒並み 30 万前後です。

プラズマは 50 型前後以上のサイズが本来自然な技術で、今シーズンから Panasonic が 42 型で Full HD のプラズマを世界で始めて実用化した、というような状況です (パイオニア、日立も 50 型以上では Full HD モデルを持っています)。とはいえ自発光式のプラズマの場合 Full HD 化は必ずしもメリットばかりではなくて、画面輝度が下がってしまう、というデメリットもあります3。そのため、各プラズマメーカは Full HD のモデルと Half HD 以下 (WXGA、つまり 1366x768 ドットや XGA 1024x768 ドット) のモデルを両方用意しています。Full HD のモデルはハイエンド設定で液晶同様 30 万前後なのですが、42 型以下の Half HD のモデルならば、20 万円前後で売られています。僕は会社で仕事中 Half HD のテレビをよく見ていますが、Half HD でも十分高精細感は感じますし、店頭で液晶、プラズマの Full HD モデルと見比べてみても、地デジや BS デジタルを見る分にはそれほどのメリットを感じない4、あと (下にも書いてますが) 消費電力のこともあって、別に Half HD でもいいか〜と思っていました。

ところで、プラズマというとその昔、「焼きつき」が起こることがある、というのが評判でした。液晶の「残像」とプラズマの「焼きつき」は、いわゆる薄型テレビの欠点として広く知られていたと思います。

現在も Panasonic のカタログには小さく、「焼きつきが起こることがあります」という注意書きがありますが、最近のモデルでは、通常の使い方をしている限りほとんど気にする必要はないそう5。相変わらず kakaku.com の掲示板では「焼きつき防止のための慣らし運転」の話題が喧しかったりするんですけど6、現在のプラズマ各社の言うパネル寿命は輝度半減まで 60,000 時間とのことで、これは実は、ブラウン管の寿命よりも長いらしい (一般的なブラウン管の輝度半減期は 15,000 時間〜30,000 時間程度とのこと)。

もう一つ、プラズマの欠点として以前言われていたのが、その消費電力。液晶陣営は「液晶のほうが省エネ」と盛んにプロモーションしていましたね。

ただこの点もプラズマ陣営は改善してきていて、特に 42 型以上の大きいパネルの世界になってくると、もはや液晶とプラズマにカタログ表示上の差はほとんどありません。しかもプラズマの場合、自発光型のため全白以外のシーンでは消費電力が減ります。通常の映像を見ている限り、カタログに載っている消費電力の約7割、というのがプラズマの実質的な消費電力のようです。なお、Full HD のプラズマパネルの場合は話は別です。あれはスゲー電気食います。冷却ファンが4つもついてるし(笑。

…と、いろいろ検討した結果、「37〜42 型の Half HD のプラズマ」にしよう、と思い、ちょうどいいタイミングでヨドバシカメラの吉祥寺店がオープンしたりしていたので、オープニングセールにちょっと期待して7くりだしてみました。

店頭で実際に見てみると、やっぱりパイオニアのプラズマはとても良かったんですが、いかんせん価格が高く (パナの Full HD モデルよりも高い)、かつ安売りしない、ということで、早々に断念。

日立のパネルも悪くなかったんですが、インターレース表示しか出来ない ALIS 方式と、画面がパンした時に盛大にマッハバンドが出ていたりしたことで却下。

というわけで消去法で Panasonic VIERA にすることにしました。ちょうど吉祥寺ヨドバシがオープニング記念特価として Full HD モデルの TH-42PZ700 を 298,000 円で売っており、228,000 円だった Half HD モデルの TH-42PX70 (ちなみに両者とも表示価格はもう少し上でした。店員確認価格(笑)です) との価格差は 70,000 円。最後まで迷ったんですが、最後の決め手は消費電力でした。TH-42PZ700 は TH-42PX70 の倍くらいの電力を消費し、かつ冷却ファンも4つもあって、ランニングコスト、自宅でのノイズが気になりました。結果的には、Full HD/Half HD の差に、その倍のランニングコストを払うだけの価値はない、と判断しました。

さて、買うモデルが決まったらあとは店員と価格交渉です。今回、テレビの買い替えに合わせて自宅の AV ラック8も買い換えようと思っていました。そんなことを相談しながら交渉し、最終的には上記 228,000 円の 23% ポイントバック(!)、実質 175,560 円で購入しました。僕はあまり価格交渉のうまいほうではないのですが、それでも今回の価格にはそれなりに満足してます (家に帰ってきてから kakaku.com を見たら、そっちはもっと安かったけどね^^;)。決め手は、といってもあんまりよく分からんのですが(^^;、オープニングセールに期待してきた、と言っていたことと、新宿本店との価格差を確認したこと、かなぁ。ヨドバシカメラの新宿本店はビックカメラと熾烈な競争を繰り広げている激戦区として有名で、価格的にも非常にアグレッシブなのだそうです。

対応してくれた店員さんもとても親切で、その後ついたポイントで保険、AV ラック、各種ケーブル等を購入し、晴れてプラズマテレビユーザとなったのでした。

なお今回、経費節約のために組み立ては依頼せず、あゆみさんと二人で自分で行いました。42 型といっても薄型テレビの場合、重量は 50kg ほどですから9、二人いれば余裕で設置できると思います。

さて、購入後の印象、画質について。なぜか最近のテレビは購入直後の画質モード設定が「ダイナミック」になっているので (電気屋での見栄えを気にしているから、だろうなぁ)、ちまちまと自分好みの画質に調整して、最近何とかいい感じになってきました。とはいえ、これまで使ってきた Sony のテレビと比べると、相変わらず色の出方が全然違って (特に人肌)、その点にはまだ違和感があります。ただそれも慣れの問題なのかな、と思っています。

色以外の画質でいえば、精細感は思ったよりも悪くないですね。上で書いたとおり我が家のモデルは Full HD でない、Half HD ですらない XGA モデルなわけですけれども、PS3 の設定を 1080p にして XMB、ブラウザ等を表示していても、文字がつぶれて読みにくい、ということがほとんどありません。ダウンスケーラがそこそこ優秀である、ってことなのかな10

プラズマの液晶に対する優位点の一つであるコントラスト、特に暗所コントラストは、確かに良いような「気がします」。PC 以外の液晶と比べたことがないので正直なところはよく分かりませんけれど…。暗い我が家の夜のリビングでも、黒浮き等は皆無と言っても良いと思います (当たり前)。

ちょっと気になるのは、画面の暗いほうじゃなくて明るい部分の、なだらかに階調が変化するシーンでざわつきを感じるところでしょうか。明度の高い部分での表現力は液晶の方が高いのかもしれません11

自宅ではデジタル放送初体験でしたが、その、ゴースト、歪み等の全くない画面はやっぱり綺麗ですね。今回新たに D 端子でつないだ PSX の画面も悪くはないんですが11、やっぱりデジタル放送とアナログ放送では色の純度が全然違います。今までは生で見ようが PSX で見ようが画質的にほとんど変わらなかったんですが、今後は生で見たいと思う場面も出てきそうだなぁ。ところで、地デジってまだまだ 4:3 で放送されている部分も多くて、まだまだ導入初期の段階なのだなぁ、と感じました。

もう一つ、新しいテレビになって分かったのが、DVD の画質の差についてです。これまでのテレビで見ている分には DVD の画質はどれも綺麗で、特に差を感じることもありませんでした。ところが新しいテレビで PS3 (噂のアップスケーラ込み) で DVD を見てみると、元の DVD の画質の差が如実に分かるようになってしまいました。例えば、新海さんの「雲のむこう、約束の場所」はアホみたいに綺麗になったんですが、ジブリの「ハウルの動く城」や「千と千尋の神隠し」はそうでもなかったり。嬉しいような、悲しいような…。

音については、薄型になって虐げられていると評判のテレビのスピーカですから (しかもアンダースピーカーモデルだし)、言わずもがな、という感じです。ただ我が家の場合、テレビからデジタルで AV アンプに入力、そっちから出力することも出来ますから、音が気になるような番組ではそちらを使えばいいと思っています。

というわけで、我が家にとっては大きな、なかなか痛い臨時出費でしたが、結果的には (少なくともお父さんは) 大満足な買い物でした。

AV ラック

今回プラズマテレビの購入にあわせて、これまでの自作ラックで気になっていたホコリ対策を考えて、扉付きの AV ラックを購入、アンプや PSX、PS3 などを全てそちらへしまうことにしました。

ところが、いざ自宅のシステムを格納し利用し始めてみると、いろいろ誤算がありました。

まず、最近の薄型テレビ用ラックの場合、奥行きがあまり取られていないため、AV アンプを格納すると前の扉が開かないことが分かりました。しょうがないのでアンプを格納した側の扉は外したままで運用することにしました。そもそも放熱の心配も少しあったので、こちらはこれでよいかと思っています。

もう一つの誤算はその、放熱の問題でした。まず驚いたのが、CS チューナがビックリするくらい熱を発していたこと。これまであんまり気にした事がなかったのですが、ラックにしまった CS チューナが、電源が入っているわけでもないのに常に 40 度以上くらいに熱を持っていることが分かりました。こりゃ、そうでなくても熱い PS3/PSX と一緒に入れておくのは危険、ということで、これも扉の付いていない、風通しの良い棚へ移動させました。

次に問題になったのは PS3 です。そもそも今の PS3 は、場合によっては 300W 近くの電力を消費する、ということで、その発熱についてはいろいろ問題になっていました。今回、PS3 は放熱を考えて後ろ側に蓋のない棚に置いたのですが、それでも本体横から噴出された熱風がラック内に滞留し、あっという間にファンが全力回転を始める、という状況になってしまいました。

ちなみに PS3 のエアフローとしては、本体前面下の吸気口から空気を吸い込み、本体横、後ろの排気口から熱い空気が出てきます (本体横置きの場合)。AV ラックに入れてしまうと、後ろから排気される分はよいのですが、横から排気される分が前方の吸気口に回ってしまい、そのフィードバックによりラック内の温度が上昇してしまう、という感じでした。

ということは、本体横から排気される温風をうまくラックの後ろへ排出してあげられれば、前面から吸気される空気は常に新鮮な状態に保てそうです。幸いな事に PS3 には一般的な USB 端子があり、そこから主電源連動型(笑)の電源も取れそうです。

そこでまず最初に、最近量販店などでよく見かける、USB 電源式の小型ファンを一つ買ってきてみました (数百円くらいです)。PS3 の USB 端子に接続して本体横の空気をラック後ろへ排出するよう設置してみると、その効果は絶大でした。AV ラックの扉を閉めたまま、Folding@Home をぶん回していても PS3 本体ファンの回転数をノイズが気にならない程度まで押さえ込む事が出来ました。

ただ、その安い USB ファンにはちょっと問題がありました。まず、ファンそのもののノイズが結構大きかったこと。PS3 のファンが全力回転している時よりは静かなんですが、ちょっと質の違う、甲高いノイズがずっと響いてしまいます (いわゆる小型モーターのノイズっぽい感じ)。もう一つは、あんまり耐久性が高くなさそうな点です。極普通のモーターと適当な感じのファンですから、PS3 稼動時に常に回転している冷却ファンとしては、あまり向いているとは思えませんでした。

そこでちょっと方向性を変えて、昨今の消費電力の大きい PC 向けに一大市場を形成している、いわゆる静音ケースファンが使えないか、と思い、調べてみました。

ケースファンの電源を USB から取る、というのは、誰もが考えないわけではないがあまりポピュラーなユースケースではないらしく、数年前にいくつか関連商品が出ていたものの、今ではどれもディスコンになっているようでした。アメリカの Amazon ではナニゲに良い製品が買えそうだったんですけどね。

ただ、静音 PC 道の探求者のページなどを読んでいると、彼らの世界では「通常 12V 駆動としてデザインされている PC 用ケースファンを 5V 駆動させることで更なる静音化を目指す」というようなテクニックが極普通に用いられていることが分かりました。また、そうやって 5V で駆動してもきちんと動くケースファンの情報なども結構いろいろあるようでした。

以上のような情報をいろいろ検討した結果、1) 5V 駆動可能でそれなりに風量が確保でき静かなケースファンを選択し (ちなみに XINRUILIAN (X-FAN) の RDM8025S、長尾製作所モデルです)、2) 先が4つのピンになったケース用 USB ケーブルを購入、それらを組み合わせることでお手製 USB ファンを自作しました。

上記を PS3 の右手排気口前に設置、温風をラック後方へ排出するように設置すると、風量的には最初の USB ファンよりもかなり少なかったのですが、十分 PS3 のファン回転数を抑えることが出来ました。ファンノイズも全くしません。

というわけで、ようやくとりあえずの問題は全て片付けることができました。やれやれ。

bird「数学ガール」, 「不思議のひと触れ」, 「山へ行く」, 「地平線でダンス」, 出張映画評(2)

「数学ガール」

数学ガール 結城浩著。数学好きの主人公「僕」が、同級生のミルカさん、後輩テトラちゃんと数学の世界を楽しむお話。

実に素敵な本でした。僕の第一印象を一言で表すなら、「とても美しい本だった」でしょうか。「数式をいじるのが趣味」「家族が寝静まった後に一人で数式に取り組む時が至福の時間」という主人公のことを最初は全く理解できなかったんですが、この本を読み進むうち、僕も「数式をいじる」ことの楽しさが少しだけ分かったような気がしました。登場人物たちが式と格闘するさまがちょっとした冒険小説のような趣で、新たな発見で証明が進んだ時などは本当にドキドキしました。

扱われている題材は高校生レベルなんだと思うんですが、その「数式をいじる」ステップをとても丁寧に説明してくれているので、高校生でなくても読めるんじゃないだろうか…と思うくらい、優しい印象があります。一般的に科学の本、特に教科書なんかは、簡単な事でもわざわざ難しく書いてあったりすることがあることを思うと1、このような本はとても貴重なんじゃないかと思いました。

「数学ガール」のユニークな点としては、なんといっても縦糸にそのようなストイックな数学の題材を扱いつつも、横糸として主人公達の心のふれあいを持ってきているところでしょう。頭の固い人だと、「数学の本にどうしてそんな話が必要なんだ」と怒り出したりしそうではありますが(^^;、僕はこの構成をとても自然に感じます。一人で数式と戯れることも楽しいのだろうけれども、やはり他者とコミュニケーションしつつ取り組むことで、そのモチベーションや喜びも何倍にもなると思うのです。そういう素敵な研究仲間のあり方を、この本は自然に見せてくれているように思いました。

「不思議のひと触れ」

不思議のひと触れ シオドア・スタージョン著。SF 界きっての短編の名手、と言われているらしいスタージョン。とはいえ、この本では SF 色はあまり強くなく、ホラーあり、ショートショートあり、ジュブナイルっぽい話あり、ユーモア小説あり (全10編収録) と、多彩なお話が楽しめました。

実はスタージョンを読むのはこれが初めてだったりするんですが、結構フィーリングあうかも。特に表題作の「不思議のひと触れ」や「閉所愛好症」「孤独の円盤」あたりに、特にぐっと来ました。この河出の奇想コレクションからはもう一冊短編集が発刊されているので、買ってみようかしら。

「山へ行く」

山へ行く 萩尾望都著。「ここではないどこか (ANYWHERE BUT HERE)」シリーズの一冊目だそう。全10編を含む短編集です。

これまたいろいろな趣向のお話が含まれる本でしたが、やっぱり萩尾さんの本は面白いなぁ。どの話も面白かったのですが、強いて言えば「ゆれる世界」「ビブラート」「柳の木」あたりが印象に残っています。「ゆれる世界」の、世界の崩壊を防ぐために羽を羽ばたかせられないバタフライ族、という設定には笑った。

「地平線でダンス」

地平線でダンス 1 柏木ハルコ著。あれ?「QUOJUZ2」はどうなったの?と思いつつ。この話はスピリッツで連載しているらしい。今回はエロ成分はほぼナシの模様。

やや、この本もすごく面白かったです。ジャンルで言えば SF。柏木さんが SF?!って感じかもしれないけれど、予想以上にはまっていると思うなぁ。「科学」方面にアンテナを立ててる、という意味で、上の萩尾さんの本とも微妙に共通点を感じたりして (なんて書くとファンに叱られそう。一緒に読んだからだけだろうって?ごもっとも)。「地平線でダンス」という書名と SF という部分で、ちょっとル・グィンなんかも思い出しましたよ。とかなんとかいっても、ストーリー的にはすっごくシンプルな SF どたばたラブコメディなんですが(笑。この先どうなっちゃうんだろう…?と思わせる、ジェットコースターストーリーです。

出張映画評(2)

先週、また出張に行っていたんですが、今回は「ゴーストライダー」「ラブソングができるまで」「バブルへGO!!〜タイムマシンはドラム式〜」「どろろ」の4本の映画を見ました。

今回は総じて不作っぽかったですねぇ。「ラブソングが〜」と「バブルへGO!!」はそこそこ面白かったけれど。

それよりも今回の出張で驚いたのは、行きも帰りもオーバーブッキングのためにビジネスクラスへ格上げしてもらったこと。生まれて初めてのビジネスクラスだったんですが、ありゃー快適ですねぇ。びっくり!

bird「楽園の泉」, Sony MDR-NC22, 「この恋は実らない 1」, 電脳コイル, Courier-imap から Dovecot へ

「楽園の泉」

楽園の泉 アーサー・C・クラーク著。一人のエンジニアが、いわゆる「軌道エレベータ (宇宙エレベータ)」を作り上げるまでの悪戦苦闘を描いた話…と書くと、SF 的なものにあまり興味のない人には面白くない話と思われるかもしれませんが、とんでもない。物語の舞台となるタプロバニーの美しい自然、伝説や、そこに暮らす修行僧とのやり取りなどが物語に素敵な奥行きを与えていて、クラーク作品では珍しい (そうでもない?) 非常にドラマチックな展開もあいまって、とても面白かった。いやはや泣けました…。

ところでこの本を読むと、以前読んだ小川一水著「第六大陸」はこの本の影響を激しく受けていたのかもしれないなぁ、と感じました。お話の全体の流れ、イメージもとても近いですし、「第六大陸」のラストの展開は、あの話だけを読むとはっきりいって「?」なんですが、クラークのこの話との相似を思うと、なるほど、という感じ。

Sony MDR-NC22

ノイズキャンセリングヘッドホン ブラック MDR-NC22 B 僕はナニゲにノイズキャンセリングヘッドフォン (以下、NC ヘッドフォンと略) のファンで、とはいえ一般に NC ヘッドフォンと言えばコレ、と言われている BOSE の QuietComfort シリーズは流石に高くて買えず、これまで Sony の MDR-NC11ASENNHEISER PXC300 と使ってきました。

初めて買った NC ヘッドフォン、Sony の MDR-NC11A はカナル型のヘッドフォンで、ヘッドフォン、というよりもイヤフォンといったほうが良い感じの音で、ケーブルもしょっちゅう絡まるし、使っているときはあまり満足感は高くありませんでした。2〜3年くらい使っていたように思うんですが、最後は左チャネルが断線して鳴らなくなったため、2代目のゼンハへ乗り換えました。ただ、今思うと結構 NC 効果も高かったし違和感も少なく、なかなか良いモデルだったように思います。

2代目のゼンハ PXC300 はカナル型ではなく、オンイヤー型のヘッドフォンです。カナル型やオーバーイヤー型に比べると、オンイヤー型は周囲の音が入って来易いため、聴感上の NC 効果は低め。かつ、Sony のものと比べると NC をかける周波数帯域が狭いのか、ある程度高い音はほぼそのままの音量で聞こえてきます。多少物足りない反面、街中や電車で使う分にはより安全なので Good かも。心理的にストレスの溜まる低い定常音系は綺麗に消してくれます。このヘッドフォンも (今思うと) NC に伴う違和感はとても少なく、使いやすいです。純粋にヘッドフォントしてみると、妙に音が割れやすいのが欠点、かな。高い音が出ないわけではないのですが、Sony のヘッドフォンと比べると周波数特性もずいぶん違う感じで、同じ曲を聴いても結構印象が異なるんですよね。

PXC300 はとてもお気に入りで、通勤時などに毎日のように使っていたんですが、この間海外出張の折に飛行機の中でも使ってみたところ、1) 飛行機の雑音に対する効果は今ひとつで、2) 10時間つけっぱなしにしていたら耳が痛くなってしまいました。やはり眼鏡をかけてオンイヤー型のヘッドフォンをつけ続ける、というのは、いくら側圧弱めの PXC300 といえども厳しいようです。

そこで、主に海外出張用に、再び Sony のカナル型イヤフォンの新型、MDR-NC22 を買ってみました1
今は NC ヘッドフォンにもいろいろ選択肢が増えてきて、必ずしも Sony や BOSE でなくても良かったのですが、いろいろ調べた限り、カナル型 NC イヤフォンではやはりこれが評判よいようでした。

さてその印象は、というと、実はいろいろ残念な点がありました。まず、これまで使ってきた2機種ではほとんど見られなかった、NC 時の違和感が非常に大きかった点。これまでいろいろなブログなどで、「NC をかけると妙な圧迫感がある」というような記述は見たことがあったのですが、自分では感じたことがありませんでした。ところがこの NC22 の場合、確かに圧迫感を感じます。これまで、「気圧が上がるわけでもないのに、圧迫感ってなんじゃらほい」、と思ってたんですが、自分で感じてみてようやくメカニズムが分かりました。NC22 でノイズキャンセルをかけるとある一定の帯域のノイズがキャンセルされるのですが、そのキャンセルのされ具合、左右の耳のキャンセル度合いの違いなどが、電車がトンネルに入ったときや飛行機での上昇中に感じる、いわゆる「気圧が変化して耳がよく聞こえなくなった状態」によく似ているのです。実際には外部の音がそんな風に聞こえるだけで、イヤフォンで流している音楽は正常に聞こえるため、つまり音が流れている間は違和感を感じないのですけれど、無音でイヤフォンだけかけていると、耳が思いっきり誤解している、という感じがします。思わずあくびをしたくなったりして(笑。

もう一つ残念な点は、耳の左右でノイズレベルが大きく違うときに、NC 効果がなくなってしまうことがあることです。電車の中で窓を向いて (つまり進行方向に対し横向きに) 立ち、その状態でトンネルに入ったりするとよく分かります。もう一つよく分かるのは地下鉄のホームで電車が入ってくるときでしょうか。そういうタイミングで NC 効果が一瞬途切れ、外のノイズが急に入ってきます2。NC11A や PXC300 ではそういう現象にはあったことが無かったので、最初初期不良を疑い一回販売店で交換してもらったのですが、新しいものでも全く同じ現象が出ているので、どうもこれは NC22 の特性のようです。気になりだすと結構気になるんですよね。うーむ。

とまぁいろいろありましたが、飛行機用として今後も使っていこうと思っています。

「この恋は実らない 1」

この恋は実らない 1 武富智著。本誌では打ち切りっぽく終了となり、現在単行本書き下ろしとして続いている「EVIL HEART」と比べると、新連載として始まったこちらは、いかにも「ヤンジャン」な感じのお約束てんこ盛り。しかし青年誌、ってのはこんなに H シーン満載でないとダメなんすかね?(^^;。それとも単にこの漫画が「エロ担当」だからかな…。いや、武富さんの書く女性は好きですし、H シーン自体嫌いじゃないのでよいのですが…(^^;3

毎話ほとんど何の脈絡もなくしかし必ず挿入される4エッチシーン以外は、「100人切りのプレイボーイが深窓の令嬢に恋をし真の純情を知る」といった感じの極めてオーソドックスなラブストーリーで、これまでのところの展開はあまりに順調すぎるのでそのうちどんでん返しがあるのでしょうが、今のところはまだ伏線も少なく、どうなっちゃうのかドキドキですナ<「ドキドキ」って…(笑。

電脳コイル

各所で話題の NHK アニメ、「電脳コイル」ですけれど、我が家でも子供たちがどハマリ状態(^^;。一番下の鳥乃なんかは京子ちゃんの影響を受けまくって、しばらく「うんちー!うんちー!」と非常にうるさかったです(笑。
今後の展開がとても楽しみ。

Courier-imap から Dovecot へ

これまで、会社 PC の OS は Debian で、imap サーバとしても Courier-imap を使っていました。そのマシンがリースアップするのを機に買ってもらった新しいマシンには最近流行りの Ubuntu を入れてみたんですが、Ubuntu では標準 imap サーバが Dovecot へ変わっていました。
とはいえ、Maildir 形式でメールを保存していれば Courier から Dovecot への移行は楽チンで、移行用のスクリプトを流すだけで済みます。が、ここで思わぬ落とし穴が。
僕はその、imap サーバ上のメールを Thunderbird で読んでいるのですが、Courier のときに作ったアカウントのまま、Dovedot のメールを読もうとしたところ、いわゆる「受信トレイ」だけは読めたんですが、その他のフォルダの内容が全く読めなくなってしまいました。どうも Thunderbird から見たときのフォルダ構成が両 imap サーバでは微妙に異なるらしい。
しょうがないので Thunderbird 上で新しくもう一つアカウントを作成しなおしてみたところ、無事、それまで見えていた全てのフォルダが読めるようになりました。その後、メールフィルタファイルを移行して無事完了。
Dovecot の印象ですが、設定は超簡単、性能も悪くないですが、メールのフィードは Courier の方が早い感じがしますね。特に、Thunderbird をオフラインにするときの、メールの本文のフィードはちょっと遅いです。

First | Prev | 396 | 397 | 398 | 399 | 400 | Next | Last