新潟県中越地震
新潟県中越地震
僕の高校のころからの知り合いで今でも年に何度かあって飲む友達が新潟にいる1。昨晩ニュースを見ながら心配になったので連絡を取りたかったが、電話ではそもそも無理&迷惑と思いメール (携帯のメール) にしてみた。
すると1時間足らずのうちに連絡が付き、ほっと一安心。彼曰く「メールは大丈夫だけど電話はまったく通じない」とのこと。回線交換型音声通話というアプリケーションはこういった際には資源を浪費しすぎるということか。
しかし、よく「インターネットは災害に強い」とか言われるけど単純にそう言い切れるものではないと思う。今回の地震のように広い範囲で停電が起こっているような状況だと、末端の端末やルータまで電気が届かず稼働しない、という状況がほとんどだろう。我が家の場合も端末の PC は電池で稼働出来ても、団地内ルータがダウンしてしまっているだろう。
携帯のように電池で動く端末+独立電源を持っているような無線基地局の組み合わせでようやく何とか、という感じだろうか。そう考えると基地局の数が多く障害時復旧の手間のかかる PHS は災害時には意外に役に立たないのかもしれない。
それにしても、こちらの記事で書かれている通り、今回の地震で大きく傷ついたライフラインを後一月ほどでやってくる大雪の季節までになんとかしなければいけない、となると、非常に大変な仕事となりそうだ。こういう時こそ、国のような大きなシステムに力を発揮してもらいたいと思う。
コメント
- ちゅー (Mon, 25 Oct 2004 09:43:25)
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うちの実家(下越)に電話したときは,2回目で繋がったです。
フュージョンだったからというのもあったのかも。
回線交換において,呼が集中した時の振る舞いは,情処のネット
ワークスペシャリスト受験者レベルの内容です。
けっして資源が浪費されているからではありません。(笑)
不効率ではあるとは思いますがね。。。インタラクティブに会話
できるコト自体が重要なのだから,それにかかるコストなら許容
すべきかと思います。
- Digitune (Mon, 25 Oct 2004 10:40:36)
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> けっして資源が浪費されているからではありません。(笑)
> 不効率ではあるとは思いますがね。。。
アプリケーションとして見たときに、非効率である=資源が浪費されているという視点で書きました。制御や作りがタコくて無駄に輻輳してる、という認識はないです。どちらかというと輻輳するべくして輻輳してる、という立場です。
確かに「インタラクティブに会話できるコト自体が重要」なシチュエーションは多々あって、現に普通の電話や skype その他インタラクティブ音声通話アプリケーションには非常に人気がありますけれども、こういう非常時には必ずしも必要ないんじゃないか、と思ったわけです。「あなたの「かけない」が被災地の緊急な通話を救います。」(http://cwidc.com/JP/news_event/information/disaster/) なんて言葉もあったりしますし…。
ところで回線交換型音声通話アプリケーション (いわゆる電話) で用いられているピーク時負荷の分散方法は「通話規制」、つまり全発呼数に対して一定の割合しか実際には接続させないようにする、というものですが、この手の負荷対処法は諸刃の剣だったりします。インターネットサーバアプリケーションなどでも、「非常に混雑しております」画面を出力すると、ユーザは猛烈な勢いでリロードを繰り返します (電話ならリダイアル)。正規接続に対して「非常に混雑」への接続が圧倒的に負荷が軽ければそれでもなんとかしのげますが (電話の場合はそうです)、昔の playstation.com のように「非常に混雑」画面にも重たい flash movie が貼ってあったりするとまるで負荷が減らない、かえって増大してしまったりすることもあります (どこがボトルネックになっているのかをきちんと把握することが肝要、という当り前の話なわけですが)。本当は単なる規制ではなく queue が使えると良いわけですが、音声通話アプリケーションではそれも難しい (分散している交換機それぞれのキャパシティに対してそれらしく待ち行列を制御するのは超難問な気がする)。ここでも、メールその他文字ベースのコミュニケーションならば、ごく自然に queue が利用出来ます。
- のーり (Mon, 25 Oct 2004 11:04:22)
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F崎くん、無事でよかったです。
でもまだ安心できる状態ではないようなので心配ですね。
- ちゅー (Mon, 25 Oct 2004 14:56:11)
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なんか話のレベルがあってなくてよくわかんない反論ですね。
非常時の家族の安否確認は緊急な通話ではないとでも言いたいの
でしょうか?
それとも天災に際して,家族のことはさておき,公衆のために
聖人君子として振舞えってことですか?
大きな災害時に人間はそんなに冷静に行動できたりはしないもの
と僕は考えています。
まずこの点において話のレベルがあってないと感じています。
次に回線交換とメールを対比させていますが,下まわりとアプリ
の話なので,同じレベルで議論できないと考えます。
「メールその他文字ベースのコミュニケーション」であっても,
下まわりは輻輳する可能性があります。またアプリレベルでも,
自然になんてqueueなんてできません。作られた,もしくはあらか
じめ設計されているqueueが可能なダケです。例を挙げれば年末年始
にDocomoさんやauさんがメールの送信制限をかけている理由はなんな
のでしょう?少なくともCiRCUSは設計値を持っています。
あと非効率=資源浪費とありますが,回線交換の場合,効率と資源は
ドレードオフの関係でありイコールでは無いのではないでしょうか。
と言うより,効率と資源のバランスさせるための回線交換であって,
逆では無いと考えます。
何れにせよ情処に引っ掛けて揶揄したのがまずかったよーですね。
すみません。
- Digitune (Mon, 25 Oct 2004 16:24:27)
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> なんか話のレベルがあってなくてよくわかんない反論ですね。
申し訳ないです。元々そんなに大したことを言おうとしてたわけじゃないんですけど…。
> 非常時の家族の安否確認は緊急な通話ではないとでも言いたいの
> でしょうか?
> それとも天災に際して,家族のことはさておき,公衆のために
> 聖人君子として振舞えってことですか?
> 大きな災害時に人間はそんなに冷静に行動できたりはしないもの
> と僕は考えています。
> まずこの点において話のレベルがあってないと感じています。
そういう点にまで踏み込んでいたつもりはないです。当事者にとっては家族の安否確認は急を要する要件ですが、しかし実際には 1) インフラ管理側では公共性の高い緊急電話を優先させる、2) 一般の通話は規制されほとんどつながらない状況が起きる、わけです。災害のたびにこのような状況に陥るのを見ていると、回線交換式音声通話というアプリケーション自体が、災害時には役に立たない、とまで言うと言いすぎかもしれませんが、少なくとも「安否情報掲示板」のような alternative の必要性を感じさせるくらいには、先に上げた標語のようなものが必要なくらいは使いにくいものであることは確かだと思うわけです。
「電話」しか知らない人にとっては、通話を規制され連絡が取れなくなるとそれだけで安否を確認する手段がなくなってしまうわけですけれども、より災害時にも強い他の手段を作り、それを広く公知していけばそういった不幸な人達は減らせるのではないでしょうか。
> 次に回線交換とメールを対比させていますが,下まわりとアプリ
> の話なので,同じレベルで議論できないと考えます。
> 「メールその他文字ベースのコミュニケーション」であっても,
> 下まわりは輻輳する可能性があります。またアプリレベルでも,
> 自然になんてqueueなんてできません。作られた,もしくはあらか
> じめ設計されているqueueが可能なダケです。例を挙げれば年末年始
> にDocomoさんやauさんがメールの送信制限をかけている理由はなんな
> のでしょう?少なくともCiRCUSは設計値を持っています。
それはそうです。しかし音声通話と文字ベース通信には本質的に、時間的な制約に関して圧倒的な差があります。下回りで輻輳や再送が巻き起こったとしても、メールならば数時間、場合によっては数日のディレイが許されますが、音声通話ではそうはいきませんよね?そういう本質論について書いているつもりでした。個々のアプリケーションの実装その他については、僕はそれほど詳しいわけではありませんし、その点を指して「メールだから大丈夫という議論にはならない」というご意見だとすればしごくもっともだと僕も思います。
あえて付け加えるなら、僕は現存する個々のシステムに対して苦言を呈したかったわけではなくて、回線交換型音声通話アプリケーションの持つ本質的な制約や制限が、こういった災害時にも対応可能なシステムを設計することを不可能にしているんじゃないか、と思っているわけです。いっそそういった制約や制限のない新しいアプリケーションを作ってしまった方が (その一つの例としてメールをあげています)、「不可能に挑戦する」ことよりも生産的なんじゃないか、ということが言いたかった。
> あと非効率=資源浪費とありますが,回線交換の場合,効率と資源は
> ドレードオフの関係でありイコールでは無いのではないでしょうか。
> と言うより,効率と資源のバランスさせるための回線交換であって,
> 逆では無いと考えます。
僕が書きたかったのは「非効率=資源浪費」であって、「効率=資源」とは書いてないです。効率と資源がトレードオフの関係にあると僕も考えていますので、「効率の悪化」がすなわち「資源の浪費」と言い替えられる、という意味で書きました。「効率と資源のバランスさせるための回線交換」というのはちょっと意味が良くわかりませんでした。すみません。
> 何れにせよ情処に引っ掛けて揶揄したのがまずかったよーですね。
> すみません。
正直「情処のネットワークスペシャリスト受験者レベルの内容」は僕には良くわからないんですけど(^^;、上でも書いたように個々の実装の話じゃなく本質的な部分での話をしているつもりだったので、ちゅーさんのご指摘は僕にとってはちょっと的がずれてる印象があって、いろいろ説明しようとしてみたんですが失敗だったみたいですね(^^;;。すみません。
- ちゅー (Mon, 25 Oct 2004 17:19:33)
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回線交換と音声通話を分けてかんがえませう。
音声通話は,災害時こそ重要と思います。文字での「大丈夫」と
「大丈夫」と声を聞いたときでは,得られる情報が全然違います。
五感の一つだけであっても,文字より伝わるものが多いはずです。
あと遅延だが,こんな時の遅延はだめだと思います。遅延かどうか
分からないのでストレスに耐えられず,行動を起こしてしまうで
しょう。遅延するぐらいなら通話中でプープーいってくれてたほう
が気が楽。そのインタフェースに慣れているから。
リダイヤルしてれば,そのうちに繋がるし。リダイヤル自体が行動
になるので,耐えられるのではないかと思うわけで。
次に回線交換。。。対比させてる網がなんなのか分からないので,
コメントできないです。。。
災害時が前提なら,どんな網を持ってきてもダメでしょう。
インターネットって,災害とか戦争とかに強い網をつくろー
ってことから始まったと巷で考えられているようですが,網全体
が機能停止しないための耐障害性を持たせてあるということであって
災害地とか攻撃地点は救われない,それどころか切り離される。
なんで,地震の被害地域からの情報発信には無力。
- Digitune (Mon, 25 Oct 2004 20:27:56)
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第一パラグラフは「なるほど」と思いました。僕は、被災地の人が他にもいろいろやることがあって大変だろうに公衆電話に長蛇の列を作っている様とかを「無駄だ (システムとして、という意味ですよ。念の為。彼らの行動が無駄だと思っているわけではありません)」と思ってたわけですけど、たとえただ並ぶだけでも、行動をしている、ということが安心につながることもある、というわけですね。「生の声による安否確認」が非常に価値の高いものであって、全員が全員そのためのリソースを確保出来る越したことがないというのも確かにそう思います。
「音声通話」と「回線交換」を分けて考える、といえば、2つ前の書き込みの時に、「回線交換ではない音声通話サービス」についての文章を書いたんですが、長くなってしまったので削除したのでした。考えてみると NTT 東日本の「171」サービスがまさにコレにあたるわけです。このサービスがパンクした、という話は聞きませんので、回線交換型でない「生の声による安否確認」は災害時も可能だったと言えると思います (被災地からの発呼が宛先にかかわらず規制されちゃってる場合はやっぱりダメですが…)。
話を再び回線交換型音声通話に狭めると、しかし「全員が全員そのためのリソースを確保出来る」という状況は僕には現実的ではないように思うんですよ。それもキャリアの怠慢とか、技術的に未成熟、という次元ではなく、回線交換型音声通話アプリケーションの持つ必然的な制約から投資効果という意味で不可能な状況なんじゃないかと僕は思っています。そんなことないのかな?
そういう状況下では逆に、(程度問題になりますけれども) 遅延がダメ、即時性が欲しいというならば、キャリア自らが「災害時は通じにくくなる」と公言している音声通話を用いずに、パケットを選ぶという選択もあると思ったわけです。Docomo では今年4月頃から音声通話、パケット通信それぞれを独立して通信制御出来るようになっていることが今年始めの imode 災害用伝言板のニュース時にうたわれています。音声通話に 90% の規制がかかった今回のような状況では、純粋に利用者から見たサービス品質、という意味でも、あえて音声通話を選択せずにデータ通信を選択した方が、結果的に早く安否確認が取れ、安心出来ることもあるんじゃないかと思いました (並んだりリダイアルしてる時間も結構馬鹿にならないんじゃないかと…)。
いろいろと書いてますが、まぁ単純に言えば、今回僕がメールで友人と結構すぐに連絡が取り合えたことをある種の「成功体験」のように感じていて、この経験を知らせたかったんですね(^^;。実は音声通話の方がより早く、しかもより良く安否を確認出来、世の大半の majority はそうしてたのかもしれないけれども、僕自身は比較したわけじゃないのでわかりません。実はマヌケな状況に気がついていないだけかもしれない。とはいえ、いろいろな方法について知っていれば、将来また違った状況に置かれた際に役に立つかもしれないと思っています。
ところで僕が「回線交換」という言葉を使って想定しているのは、実質的にせよ仮想的にせよリアルタイム音声通話可能な帯域確保を必要とするようなサービスレベルのアプリケーションの持つ性質のことです。それ以上の何か具体的な網を想定して言っているわけではありません (僕が対比させているメールには『帯域確保を必要とする』性質はなく、この部分が本質的差異として存在すると思っているわけです)。
上で僕は「不可能な状況」と書いていますが、例えば今後バックボーンが IP 網等にどんどん集約されていって、音声通話なんてプアな一部のアプリケーション、みたいな位置付けになれば、全員がいっぺんに通話を試みてもどこも輻輳しないような網が出来るのでしょうか。うーん微妙な気が…。
災害時には「どんな網を持ってきてもダメ」というのは確かにそうなんですけど、Docomo などは今回移動基地局や独立式基地局などを持ち込んでなんとか現地の通信を復旧させようとしています (それでもまだ一部地域では復旧していない模様)。上でもちょっと書きましたが、あくまでも固定的なインフラがベースとなっている現在の PC インターネット等はちゅーさんのおっしゃる通りあまり災害には強くないように僕も感じていて、対して移動体通信網はずっと大きな適応力を持つんじゃないかと思うんですよね。
- ちゅー (Tue, 26 Oct 2004 00:21:21)
-
「回線交換」をもって「公衆電話交換回線網」を狭めて想定してると言う
ことですね。
だから音声通話となかなか分けて考えてもらえないということですかね。
僕が言ってるのは、「回線交換網」そのものについて。
上位と下位を分けて考えて欲しいです。
網の問題ではなく point to pointな音声通話っちゅうアプリケーション
そのものが問題なんでしょ?
無線系がダメなのは、日本全国に張り巡らされていたマイクロ網が無く
なっていっていることが示している通り答えの出ている命題ではないで
すか?
現状、無線はアクセス系とか Broadcast系に集約方向ではないかと思い
ます。
移動基地局って言ったっても、ランドラインが必要でしょ?基地局設置
はあくまでアクセス系の補強でしかありません。
おそらく既設の基地局が損傷している事への対応なのではないですか。
- Digitune (Tue, 26 Oct 2004 07:33:32)
-
うーん、結局、ちゅーさんのおっしゃりたいことが良くわかってないのですね>俺。
> 網の問題ではなく point to pointな音声通話っちゅうアプリケーション
> そのものが問題なんでしょ?
僕の意見はほぼ上記の通りわかっていただけてるとして、
> 「回線交換」をもって「公衆電話交換回線網」を狭めて想定してると言う
> ことですね。
> だから音声通話となかなか分けて考えてもらえないということですかね。
> 僕が言ってるのは、「回線交換網」そのものについて。
> 上位と下位を分けて考えて欲しいです。
というのはどういう意味でしょうか?僕が想定している「回線交換式音声通話アプリケーション」ではなく、現実の回線交換網では輻輳など起きない、ということでしょうか?
後段、用語の正確な意味はわかりませんが、
> おそらく既設の基地局が損傷している事への対応なのではないですか。
というのはその通りで (今回の地震では 29 箇所の基地局がダウンしたとか)、
> 移動基地局って言ったっても、ランドラインが必要でしょ?基地局設置
> はあくまでアクセス系の補強でしかありません。
メインのバックボーンがユーザ宅への支流 (アクセス系?) に比べれば耐災害性が高いとすれば (量的面、コスト面を考えて妥当な想定だと思います)、移動基地局の存在がアクセス系のみの補強だとしても十分有用なのではないでしょうか。
さらに同じような想定で、個々のユーザ宅への支流全てを回復しないと 100% の復旧を望めない有線系に比べて、数十箇所の基地局さえ復旧させれば全面復旧可能な無線系の方がより早く復旧出来るようにも思うんですが、そんなことないのでしょうか?
ランドライン、というのも必ずしも本当に「ランド」なラインを使うだけじゃなくて、例えば衛星基地局などは使えないのでしょうか?N-STAR を使った衛星電話は遅延が大きい、という話を聞くあたり、簡単に中継するわけにはいかないのかな?
Docomo さんのこんなページ ( http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/97/whatne65.html ) を見ると、災害に対する適応力がある、というのもそんなに間違ってないように思うんですが…。
- ねおん (Tue, 26 Oct 2004 22:40:44)
-
ながいのw
-
F崎くんですよ>のーり。 ↩︎