bird「ナイン・ストーリーズ」

「ナイン・ストーリーズ」

ナイン・ストーリーズ 言わずと知れた J.D.サリンジャーの短篇集です。再読、というか再チャレンジ。今までサリンジャーは、本屋で働いている時にその異常な売行きに興味を持って以来何冊か読んだんですが、どうも僕的にはピンと来なくて、この本なんかも短篇集であるのを良いことに途中で読むのを止めちゃったりしてたんですよね。

今回は最後まで読み通せました。しかも結構楽しめた。「バナナフィッシュ〜」はまーどーでも良くて (なんて書くと殴られそうだ・笑)、僕が面白かったのは「コネティカットのひょこひょこおじさん」「笑い男」「エズミに捧ぐ―愛と汚辱のうちに」「愛らしき口もと目は緑」あたりでしょうか。

何故かグレン・グールドのピアノみたいだなぁ、なんて思いました。「うまい」というか、「完璧」と言った方がいいような印象。あとがきで翻訳者の野崎さんの書かれていた「綿密に組み上げられたガラス細工のような小説」という表現がまさにぴったりです1。ちょっと偏執的っぽいところがまた。若い人に支持されている、ってのもわかる気がしたな。

僕はそういう「緻密さ」にはあんまり惹かれないタイプなのかも。もう少しダルなお話でも全然 OK です(笑。

コメント

ぴぽのすけ (Sat, 23 Oct 2004 01:24:25)
ここ最近の電子粉流体についてはスルーですか。そうですか。
ねおん (Sun, 31 Oct 2004 01:47:37)
ところでおぬし、ポール・オースターは好きかの?
ところで例の小説も貸せねばな。
そしてところで、ワシも小説を書くことにしたぞ、うっししw
Digitune (Mon, 01 Nov 2004 21:09:32)
前にねおんさんにお借りしたコミック版の「City of Glass」を読んだきりです>ポール・オースター。「City of Glass」はアマゾンレビューでは「カフカ的」なんて言葉も飛び出してますが、なるほど、そういえばそんな感じだったかも…。
例の小説 (「グリフォンズ・ガーデン」ですよね?) もぜひ読みたいです。近いうちにまた office の方へ伺いましょうか。
ねおんさんが小説を書かれる、というのは、何だか自然過ぎて「え、今まで書いてませんでしたっけ?」という感じですね(^^;。「小説」という表現形態を得た時のねおんさんの vision が、どんな形を取るのか今から興味津々です。
KenG (Thu, 18 Nov 2004 14:31:26)
人は本当に眠くなったときに、無傷のまま人間に戻れるチャンスがある。
これ、まさに人生の格言。だから、今日も眠っても眠っても眠り足りない。
Digitune (Thu, 18 Nov 2004 23:04:32)
> 今日も眠っても眠っても眠り足りない。

あはは。何だか素敵。

ふと、「今日の格言」を苦労して考えていたころを思い出しました。

  1. 翻訳者がそう感じて、読者もそう感じるように訳しているのかもしれませんけれども。 ↩︎