意味が分かりませんから〜(笑。
政府の情報セキュリティ政策会議は28日、ファイル交換ソフト・ウィニーを介した情報流出を防ぐ次世代基本ソフト環境の開発などを盛り込んだ行動計画「セキュア・ジャパン2006」を正式決定した。
とのことなんですが、というのはつまり、
- 最近、Winny による機密情報流出事件が相次いでいる…
- その原因は、セキュリティホールだらけの Windows だっ!
- だからセキュアな国産 OS が必要なのだっ!
というロジックが主軸におかれている、ってことですよね。Microsoft が聞いたら怒り出しそうな話だな(笑。
「何がおかしいのか」というポイントをもう少し説明してみます。
まずそもそも、1. から 2. へ移行する段階でモーレツな論理の飛躍、というかはっきり言って事実誤認が存在します。「Winny による情報流出の原因が Windows のセキュリティ設計/実装にある」とする見方は、端的に言って間違っています。というのも、技術的に言えば、Winny が流出させる情報、というのは、Winny を実行しているユーザの情報であって、だとすればどれほど優れた設計の OS を持ってきたところで、その流出を OS レベルで止めることはできません。「あるアプリケーションが、そのアプリケーションを実行しているユーザの情報にアクセスできない」というのは、本質的にアプリケーションの不能化を意味しますから。
「Winny」といったある特定のアプリケーションのおいて、特別に上記のような制約を実装することももちろん可能ですが、それは現状の Windows でも十分可能な話です。この議論はこの問題の本質的な原因をあぶりだしていて、そもそも Winny クラスのアプリケーションには常にバグ/見落とされた欠陥が存在し、継続的にメンテナンスしない限り今回のようにその欠陥をつくマルウェアの隆盛を防ぐことはできません。にもかかわらず今回の場合、Winny というすでに相当な人気を得ていたソフトウェアの作者を、そのメンテナンスが不可能な状態にしてしまう、という、ソフトウェア工学的には致命的なミスを犯してしまったが故に、現在の状況が生み出されているわけです。それが根本的な原因だ、ということをちゃんと認識すべきだと思うけどなぁ。
2.から3.への展開も国粋主義があさっての方向へ暴発してしまった、という以外論理的な解釈はしづらいくらいめちゃくちゃな話で、日本政府にどんな具体的なヴィジョンがあるのか聞いてみたいくらいです。「OS のセキュリティ」という分野で日本がそれほど進んでいる、という話は寡聞にして聞いたことがありませんし。僕の認識では、政府の言う「基本ソフト環境」のレベルで、Antinny のようなマルウェアに対抗できる手段なんて、もうすでにやりつくされてしまっているようにも思いますし、こと機能面において Windows はかなり実装が進んでいる方のプラットフォームなのではないかと思います。「コンピュータ」というものの定義を変えてしまう、くらいの話ならばいろいろ想像できなくはないのですが、どうもそこまでちゃんと考えられているようにも思えないんですよね。
というわけで、ひさびさに思わず突っ込みたくなるような話題でした。安部ちゃんはそれでも政府の中じゃ、小泉 ML を立ち上げてみたりして IT には強い方、と思われてるんだろうなぁ。うーむむむ…。
「NANA」
飛行機の中でやっていたので初めて見ました。ほほう、こういう話だったのか。
個人的に面白かったのは、最近の若者は個人主義的傾向が強いのかと思っていたのだが、あっさりルームシェアを決めたり主人公の友達が彼氏とのトラブルにいろいろ絡んだりと、結構ふつーにウェットな関係を作っていてそんなもんかと思った、この話の主人公 (ハチ) のようなキャラはいわゆる「痛いヤツ」の範疇なのかと思っていたが案外そうでもないのかと思った、NANA が見た目と裏腹にやけに純情繊細ナイーブキャラでビビッた、つーか「上京物語 (by シャ乱Q)」的設定はいまどきどーなのよ?と思った、中島美嘉の演技は正直「?」だが、歌は良かったと思う、アマゾンの公式レビューにある「複雑な恋のドラマ」は正直微妙 (むちゃくちゃシンプルな恋のドラマじゃん!)、アマゾンレビューの評価が微妙に悪くてそんなもんかと思った、しかしこれを見て原作読みたくはあんまりならないなぁ、と思った (もちろん多少興味はあれど)、てなところ。しかし俺の見方はオヤジですナ(笑。