ブランク
えらいブランクが空いてしまって何から書いていいのか分からん(笑。
「マルドゥック・スクランブル」
「SF が読みたい! 2004年度版」のベスト SF 2003国内部門1位となっている冲方丁さんのこのお話を SAK 氏に借りて読みました。巨大企業オクトーバー社の支配するマルドゥック・シティで、あやうく殺されそうになった少女娼婦バロットが、自らの「有用性」を証明しなければいけない「スクランブル・09 (オーナイン)」という立場のドクター&ウフコックとともに、自分の事件、またその裏に潜むより大きな事件を解決していこうとする話。
「事件を解決」と言ってもミステリー仕立てというわけではなくて、銃と暴力、またはギャンブルによって道を切り開くという展開です。死にかかった少女が半ば本人の意志とは関係のないところでとんでもなく強大な力を持つ身体を与えられ、「力とは」「生きるとは」ということを自問自答する、という前半の展開は、なんとなく「銃夢」のザパン編を思い出させました。バロットはガリィほどたくましいわけじゃないですけどね。
アマゾンのレビューなどを見ると後半のギャンブル編がベタ褒めされてるんですが、確かにとても面白くはあったものの、僕にはどうもその展開に無理があるような気がしました。といってもギャンブルの内容に、という意味ではなくて、事件を解決するにあたっての流れとしてギャンブルの登場の仕方、また物語全体に対してギャンブル勝負の持つ重みがどうもアンバランスなように感じたのですね。
この本を読んでいて、その一本道なストーリーといい、バロット、ドクター、ウフコック、シェル、ボイルド、変態5人衆など、非常に「キャラの立った」登場人物達といい、何というかとても漫画チック、それも週刊連載漫画チックなものを感じたんですが、ギャンブル編への流れも、なんとなくよくある「書いてみたらとても評判がよかったのでいつの間にかそっちの話になってしまった」連載漫画っぽい感じがしました。面白くてサクサク読めるんだけど、一つの物語としてのまとまり、完成度としては今一つ、という感じ。
読んでいて今一つ盛り上がれなかった理由の一つに、この作者独特の言葉使いがあります。「人間の焦げ付き」とか、「…のへ」、「うっそり」の多用など、語感からなんとなく言いたいことは分かるものの、いまいちピンと来なくて…。ところであの英語の言葉遊びはリアリティのあるものなんでしょーか?
「SF が読みたい!」での対談の中で、どうして主人公が女の子なのか、という話題に際して作者の冲方さんが、「自分の苦しみなどを、自分から離れた『女の子』という器に押し込める (ことで楽に書ける)」というようなことを言われていたんですが、個人的には「それってどーなのよ?」と思ってしまいます。「神は沈黙せず」のところでも書きましたが、あの話の主人公優歌ちゃんも、こちらの主人公バロットも、いまいち「生きてる女の子」っぽくないんですよね。別に女の子でなくてもいいじゃん、っていうか。対談での話などを見ると、結局のところ「バロット」は「バロット」であることが重要だったわけではなくて、万能兵器ネズミ「ウフコック」に対応する記号としての少女娼婦「バロット」に過ぎない、ってことなんじゃないでしょうか。
この話は今後「過去編」「未来編」と続くそうですが、僕はもういいかも。また SAK が貸してくれるなら読む、って感じかな…>何様じゃー(笑。
ここでも何度か触れているように、これまで日常的に使うデジカメとしては Canon の PowerShot G1 を使っていたのですが、
- でかくて重い
- 起動やカメラモード、ビューモードへの切替えがノロい
- ISO 感度レベル AUTO だと ISO100 までしか増感されず、暗所に弱い。ISO200 以上だとノイズがひどい。フラッシュの色味が最悪。
などの不満点があり、特に子供を日常的に撮るのに使うには、1. や 2. の部分で結構ストレスがたまっていました。明るいところでの写りには全く不満なかった (若干白トビしやすいか、というくらい) んですけどね。
そこで、主に夜の屋内 (ホームパーティ等) などでの使い勝手向上を目指したコンパクトで使いやすいカメラを、ということで、Panasonic の DMC-FX1 を買ってみました。一応対抗馬としては IXY450/30a、FinePix F420 あたりですが、IXY は暗所対応という意味でのレンズ性能 (レンズの明るさ)、ボディの作りなども FX1 と大差なく、ならば手ぶれ補正というギミックがある方がいい、また FinePix は相変わらずのフジ画質が個人的に嫌い (ハニカムは感度高くて良さそうなんですけどね) というような理由で決めました。パナのノイズっぽい画質がちょっと個人的にツボだったりした、というのもあり。ビデオっぽいぺったりした絵より、写真っぽいザラついた絵の方が好きなんですよね。古い人間なので(^^;。
さて、FX1 の印象ですが、起動時間も早く、ボディもコンパクト、高品質で、狙ったラインはクリアしていると思います。懸案の暗所 (夜の室内) での写りですが、FX1 では ISO 感度を AUTO にしておくと自動的に ISO200 まで増感されることもあって、フラッシュ無しでもそこそこ撮れます。ただ、通常モードではシャッタースピードが 1/8s 以下にはならないため、広角側絞り開放でも 1/8s で光量が足りない場合、真っ暗な写真が撮れます(笑。F2.8 な広角側では大丈夫でも、F4.9 な望遠側ではダメダメなことも多く、その点は F2.0-2.5 と明るいレンズだった G1 は優秀だったんだなぁと改めて思いました。
手ぶれ補正ですが、結構有効ですね。1/8s というような非常に遅いシャッタースピードでも、かなりの確率でブレのほとんどない写真が撮れます。ただ手ぶれは補正出来ても被写体ぶれまでは当然補正出来るわけもなく、動き回る子供を撮影しているとやっぱりブレブレになってしまうこともしばしば。「動くなー」と命令しつつ写真を撮っています(笑。この辺はやっぱり ISO800 や ISO1600 が実用になるというデジタル一眼なんかを使わないと結局はダメなんだろうなー。
画像の傾向としては、やっぱり G1 と比べると結構ノイジーで、特に暗部でのノイズがかなり多いかも。まぁこのことは逆に、微妙なレベルの信号も何とか残そうとしている結果、とも言えるわけで、一概に悪いとも言えないわけですけれども。解像感も、「解像感の鬼」と言われた G1 と比較してもそれほど遜色なく、発色も Panasonic のカメラらしく鮮やかなもの。総じて僕の好みに合致しているようです。ちょっとほっとしました。
ところで、どうして400万画素の FX5 ではなく300万画素の FX1 にしたのか、というと、もちろん値段的なものも大きかったですが、いろんなところでよく言われている、「同じサイズの CCD なら画素数の少ない方が感度が良い」という説を考えたからということもありました。特に FX1/FX5 の場合、FX1 にのみ ISO400 のモードが用意されている、というのも、そのことを表しているように思いました。
ところが、FX1 を買ってから見てみた松下さんの CCD のカタログによると、FX1 に使われていると思われる CCD (MN39592PJ) よりも FX5 に使われていると思われる CCD (MN39482PT) の方が飽和電圧が高い?感度も上?…どうも FX5 に使われているものの方が一世代後のもののようで、全体に性能がアップしてたりするように見えます。
そう言われてみると、Panasonic のページで見られるサンプルでも、同じ ISO100 での作例を見てもそのノイズレベルに顕著な差はなかった、かえって FX5 の方がクリーンな印象にも思えます。こと FX1/FX5 の関係で言えば、一般的に言われている「CCD サイズと画素数」の神話は当てはまらないのかもしれませんね。
サンプルをば。一枚目は昼間の屋外。曇った日だったので全体にどんよりしてますが…。二枚目は薄暗い焼肉屋での写真。1.3秒という超スローシャッターですが (夜景モード/WB白熱光/露出補正+2/3)、後ピンながら手ぶれはほとんど補正されている様子が分かると思います。
スクリーンセーバー
WindowsMe や WindowsXP に用意されている、「マイピクチャ スライドショー」スクリーンセーバー相当で Windows2000 で動くものが欲しいんですが、いろいろ探してみてもなかなか見付からず。良い感じに動きそうな一般的なスライドショースクリーンセーバーを持ってきてみても、デジカメで取った写真が2500枚くらい保存されているディレクトリツリーを指定すると固まってしまったり。MS 純正の「マイピクチャ」セーバーは良く出来てたんだよなー。デジカメ画像のスライドショーもの (ディレクトリツリーに格納されたイメージを (サブディレクトリの中まで) 全てランダムに表示してくれるようなもの) で良いものをご存知の方、教えてくださーい。
あんまり見付からないので自分で作ろうかと考え始めてます(笑。