リアルタイム視聴, 「万物理論」
リアルタイム視聴
ITmedia の「対談 小寺信良×津田大介(最終回)――著作権問題に、解決の糸口はあるか?」において、本題ではないのですが、小寺さんが「リアルタイム視聴というものがどんどんなくなっていく」とおっしゃられているのを読んで、まったくだなぁ、と思うことしきり。
我が家でも PSX を購入してから、リアルタイムで見ているのはもっぱらニュースと一部のスポーツ中継 (F1 とか) くらいになっています。それ以外のほとんどの番組は、(たとえ生で見ることが出来たとしても) 大抵 PSX で録画してから見ていますね。子供達は特にそうです。最近では生で見ていると CM が飛ばせなくてすごくうっとうしく感じたり(笑。
今は放送を録画してみる、いわゆるタイムシフト視聴ですが、HDD レコーダの EPG 並の手軽さでコンテンツを眺めて選択できるようになったら、放送にこだわらずオンデマンドで見たいコンテンツが見られればそれに良い、って感じになりそうな予感。小寺さんも危惧されてますが、今の「放送局モデル」から一歩進んだそういう時代に対応できるビジネスモデルを作ってかないとマジでヤバいんじゃないかなぁ…。
この一連の記事は本題もとても面白かった。小寺さんと言えば、新潟にボランティアに行かれたりしていたのですね。すごい。
「万物理論」
グレッグ・イーガンの長編 SF。日本では先月発売されたばかりの新刊ですが、原作が書かれたのは「90年代 SF 傑作選 (下)」に収録されている「ルミナス」や「祈りの海」、「しあわせの理由」よりも前、1995 年の作品なのだそうです。
ネタばれすると怒られそう (誰に?) なので詳しくは書けないんですけど、あとがきにも書かれている通り、「長編数冊分」のアイディアが惜しげもなく投入され、いつものイーガンらしい大ネタ炸裂!な本書。「宇宙消失」や「順列都市」が楽しめた人ならば楽しめること間違いなしでしょう。なお、原題は「DISTRESS」(遭難、と訳されています) で、万物理論 (Thoery of everything、TOE) ではないんですよね。
前2冊の長編が心から楽しめたわけではない僕も、この本はかなり面白かった。メインとなるアイディア、テーマ以外にも「二つの H」に関する話、「ジェンダー」に関する話1など、非常に興味深く、考えされされるテーマがたくさんあって、素晴らしく密度の濃い物語となっているように思いました。メインアイディアよりもむしろそちらの方が楽しめたくらい。
この本とかこの本を読んでおくとさらにグーかも。ちなみにあとがきでは、そのものずばり「万物理論」という本もあげられたりしています。