「世界の果てでダンス」, MotoGP開幕戦
「世界の果てでダンス」
「闇の左手」「ゲド戦記」などで知られるル=グウィンさんの講演や論評を集めた本です。「SF界の女王」なんて言われる彼女ですが1、近年はフェミニストとしての発言や行動も積極的に行っているのだそうで、この本もフェミニスト的立場から書かれた論評がたくさん収録されています。
正直、僕は「フェミニズム」についてほとんど何も知らないのですが、この本でル=グウィンさんが何度も「マッチョな」男性作家たち2をこき下ろしているのを見、なかなか痛快な思いを味わいました。こき下ろす、といってもあしざまにけなすとかそういうんじゃなくて、「しょうがないお馬鹿さんね」とお母さんがダメ息子を諭すようにその無意識の偏見を暴露していくのです。男の僕が言うのは不謹慎かもしれないけど、ちょっと楽しい。
ル=グウィンさんの書いている、議論/論理のための父語 (ファーザー・タング) ではなく、生活の言語でありこれまで明らかに下のものであると見られていた母語 (マザー・タング) で語ろう、という話なども、個人的にここ最近よく考えていることとの類似点を見3、興味深かったです。
ただ、日本人の僕にはル=グウィンさんが憂慮している「男性至上主義的傾向」と言うものが、本質的には分からないのかも…と思ったりもしました。彼女が書いている欧米における「男性至上主義」は、あまり日本の状況には当てはまらないような気もしたからです。彼女自身、男性至上主義的な西欧文明への対比として中国の老荘思想やネイティブ・アメリカンの哲学、アステカ人の考え方などをあげていますが、日本人的感覚からすると前者より後者の方が馴染みが深いようにも感じます。もちろん、かといって男性至上主義的傾向が日本にないか、と言われれば、全然そんなことはないわけですけれども…。
実は彼女の本は冒頭であげた「闇の左手」と「ゲド戦記 (「帰還」まで)」しか読んでなかったりするのですが、もっとたくさん読みたくなりました。
MotoGP開幕戦
びっくりです!「マシンの力で勝った」と言われるのを嫌って今年ホンダからヤマハへ移籍したチャンピオン、ヴァレンティーノ・ロッシが、なんと開幕戦で見事優勝しました!ただのルパン三世じゃなかったんだ(笑。