散髪
ほぼ2ヶ月ぶり。柊次も一緒に行こうと誘ったのだが、「飴くれる?」「うーん分からん」「じゃ行かない」というつれないお返事。床屋さんにそんな話をしてみたら、「飴あげますよ!ぜひこんど連れてきてくださいよ」とのことなので、次回は一緒に行こう>柊次。
最近読んだ本
最近読んだ本をまとめて記録。
「だから片づかない。なのに時間がない。」
nikkeibp.jp でちょっと前に紹介されていたのを読んで、買ってみました。いわゆる「生活改善 HowTo 本」なのですが、「裏技」的なテクニック、ノウハウではなく、精神的な面にフォーカスしているのがちょっと珍しいかも。僕も以前から同じようなことを思っていたせいか、著者のマリリン・ポールさんのおっしゃることはとても納得出来ました。つまりは良い習慣を身に付ける、ということなんですよね。親がいまさらながら学んでいるような状態だけど、子供達についてもそういうことを教えてあげられると良いなぁ。
「ケンブリッジ・クインテット」
ジョン・L・キャスティさんの本。キャスティさんは複雑系で有名なサンタフェ研の研究者なのだそう。友人に貸したついでに再読。
科学者でもあり政治家でもある C.P.スノウの呼びかけで、遺伝学者ホールディン、物理学者シュレーディンガー、数学者チューリング、哲学者ヴィトゲンシュタインがケンブリッジに集まり、「機械は考えることが出来るのか?」というテーマで熱い議論を繰り広げる…と言う架空の物語。
前回読んでから、サイモン・シンの「暗号解読」やニール・スティーブンスンの「クリプトノミコン」、シュレーディンガーさんの「わが世界観」なんかを読んだせいか、著者のキャスティさんが各キャラクターに喋らせていることの「それっぽさ」がより分かるようになっていてまた楽しめました。ヴィトゲンシュタインがサールの「中国語の部屋」とまったく同じ例をあげて反論するのは、そしてチューリングがすかさず「部屋全体の視点で見れば…」という現在主流となっている再反論を持ち出すのはさすがに出来すぎな気がしましたけれども…。
チューリングの、「技術的に困難な点はないのだから実現出来るはずだ」という考え方は、僕はちょっと無邪気すぎるように思いますね。ヴィトゲンシュタインほど悲観的ではないけれども、人間が、何かが「考えている」という判断を下すための条件は複雑なものがあると思う。そしてそれを総体的に満たすものというのは、結局人間社会で生活する人間以外ありえない、というヴィトゲンシュタインの結論もあながち見当外れでもないように思いました。
「内側から見た富士通 「成果主義」の崩壊」
いわゆる「成果主義」をいち早く採用して話題になった富士通のその後の不調とその原因を、
本当の内部の人にしか書けない臨場感で書いてちょっと前に話題になっていた本。城繁幸著。
僕がこの本を読んで感じたのは、「成果主義が世間に受け入れられた過程って、共産主義が受け入れられた過程と似てるんじゃないだろうか」ということ。共産主義も当初その明解な論理でもって知識階級には熱烈に受け入れられたけれども、その実践たるソ連の現実に皆幻滅、という道をたどったと僕は理解していますが、成果主義の辿っている道筋もとても似ているように思うのですね。謳い文句は素晴らしいし誰もが納得できるしということで一時もてはやされたけれども、実際に実践してみると考えてもいなかった難しい点が山ほど出てきて、だけど大々的に対外的にもアナウンスしちゃった以上いまさら元に戻すわけにもいかず、しょーがないから無理を重ねて組織運営。しかしソ連の最後を見るまでもなく、そういう無理は結局組織自体を弱体化させてしまう。
資本主義が最良だと思っているわけじゃないけど、少なくともその漸進主義的なところと常に変化を許容するところは良い点だと思っています。会社組織の運営にしても同じなんじゃないかなぁ。