bird白糸台駅, Debian sarge の Firefox, 「黒猫の三角」

白糸台駅

白糸台駅 ここのところちょっと用があって西武多摩川線1の白糸台駅をよく利用しています。駅員さんに切符を手渡し (さすがに改札はハサミではなくスタンプですけれども)、線路を渡ってフラットなホームへ向かうその昔ながらの駅の形や、周囲ののどかで静かな環境など、この駅の雰囲気はとても好きです。

Debian sarge の Firefox

最近、sarge の Firefox に脆弱性が発見されてすぐアップデートされたんですが、それ以来非常に落ちやすくなってしまって難儀しています。新しいタブを開いてそのタブを閉じるだけで確実に落ちます。相性の悪い拡張機能があったりするのかな?
追記。いったん $HOME/.firefox や $HOME/.mozilla/firefox を削除 (移動) してから起動し、改めて最低限必要な拡張機能 (All-in-one gestures) だけを入れてみたところ、タブを開いて閉じるだけで落ちることはなくなりました。しばらくこれで様子を見てみよう…。

「黒猫の三角」

黒猫の三角 森博嗣さんの本。犀川先生&萌絵ちゃんが主人公の「SM シリーズ」ではなく、落ちぶれた貴族令嬢の瀬在丸紅子が主人公の「V シリーズ」の一作目なのだそう。ほんとは SM の4作目を買いに行ったんですが、近所の本屋には置いていなく、仕方なくこちらを買ってみました。

メイントリックはそれほど大掛かりなものではなく、「すべてが F になる」や「そして二人だけになった」のようなノリを期待しているとちょっと肩透かし感があるかも2。いろいろな情報の出し方も、(あとがきの人も「アンフェアの香りが…」と書いてましたが) ちょっと雑な感じがしました。

それにしても、相変わらず森さんの小説の野暮ったさはすごい。まず登場人物の名前がすごい。主人公「瀬在丸紅子 (せざいまるべにこ、と読む)」を初めとして、保呂草潤平 (ほろくさじゅんぺい、と読む)、小鳥遊練無 (たかなしねりな、と読む) に香具山紫子 (かぐやまむらさきこ、と読む)、根来機千瑛 (ねごろきちえい、と読む) ですよ。名前の読み方を覚えるだけでも一苦労。そして保呂草さん達が住むアパートの名前が「阿漕荘 (あこぎそう、と読む)」。名探偵コナンのように何か元ネタがあるのかなぁ?

さらに主人公が落ちぶれた貴族令嬢でしょっちゅう「まるで人形のような」というような形容詞が出てきちゃうような人だし、小鳥遊くんは女装癖があって声が高くて本当にかわいい男の子だったり、根来じいさんは紅子さんの前では絵に描いたような執事ぶりだったりと、もー大変です。

bird風雲急を告げる, リナザウのブンコビューア

風雲急を告げる

急に身辺があわただしくなってまいりました…。どうする、俺?!(オダギリジョー風)

リナザウのブンコビューア

図書館で2週間おきに本を借りていると、借りる本によっては微妙に2週間持たないことがあります (今週なんかはそういう感じ)。そういうときはしょうがないのでさっと読めるような文庫本を買ったりしていました。
そんなときふと、ザウルス君で何か読めば良いじゃないか、と思いつきました。確かザウルス君には「ブンコビューア」というアプリケーションがあったはず。調べてみると、リナザウ用のものも無料で配っていることが分かりました。それだけではなく、いわゆる PC でよく使われている略字のフォントではなく、正字が含まれたフォントまで無料で配ってくれていました。シャープったら、ザウルス上での読書を結構本気でサポートしてくれているのですね。
これらのアプリ、データをダウンロード、インストールして、青空文庫から夏目漱石の「吾輩は猫である」をダウンロードしてみて、無事読めることを確認しました。なかなか快適そう。

bird数の感覚

数の感覚

以前読んだ「虚数の情緒」にも、数を直感的に把握しておおざっぱに検討をつける能力、というのが大切、という話がありました。例えば、2^n≒10^(n/3) であることを利用すればおおざっぱに桁数を想定できるとか、二乗数を覚えておけばいろいろ計算に便利、とか。実生活では細かい部分までの完全な答えが欲しいことは滅多になくて、大きく桁を外したりしない限りはそれだけで有用なこともよくあるとのことなのです (そういえば「直感で分かる数学」にも書いてありましたね)。
というわけでそのように数をとらえることを日々心がけているのですが、先日、イギリスのショッピングサイトに載っていた商品の価格を考えようとして大失敗。99.99 ポンドって何円くらい?というのを考えるのに、本来 200 をかけなきゃいけないところ、50 をかけてしまった。原因を考えるに、以前イギリスでの PSP の価格が 199 ポンドで、日本円で 39,000 円くらい、という報道を読んだ時に、どうも「ドルの半分くらいなんだなー」というイメージが頭の中に残ったらしく、そのためになぜかポンド→円変換をするのに「100 かけて (ドル化)、それを半分にする」というロジックがぱっと出てきてしまった模様。冷静に考えると意味が分からないんですけどね…。
どうも僕はおっちょこちょいでいかんです。反省反省。

bird秋の空, 「世にも美しい数学入門」, makerss プラグイン

秋の空

秋の空 朝、会社に行こうと家を出、空を見上げると、そこにはすっかり秋の空がありました。そういえば昨日の晩はとても涼しかった。

「暑さ寒さも彼岸まで」と昔から言われている通りだなぁ、と思いました。

追記。姉から、「『彼岸まで』とは、つまり秋分の日の頃の気候を指すのではないかと思われます。」とのツッコミが。今まで「お盆=彼岸」だと思いこんでたよ…1_| ̄|○。

「世にも美しい数学入門」

世にも美しい数学入門 数学者の藤原正彦さんと小説家の小川洋子さんの、数学の魅力について対談集です。もともと、小川さんが「博士の愛した数式」を書くにあたっての取材として藤原先生と知り合い、その後資生堂のトークショーで対談を行うことになって、そのときの内容をふくらませたものが本書、ということなのだそうです。

この本は、一言で言うと数学の魅力を伝える啓蒙書です。数学者の一般的な資質についてや、ガウスや藤原先生がどうして数学者を志したのか、というようなことにも触れられていて、数学者になりたい人にも興味深い本かもしれません。内容はとても平易に書かれているので、有葉くらいならばもう読めちゃうかも…ということで、さっそく有葉に回しちゃおう〜。

makerss プラグイン

先日 makerss プラグインを最新のものに入れ替えツッコミが入らないようにしたわけですが、ツッコミが入らないようになったのは良いとして、そこに含まれるエントリがだんだん少なくなっていくのがちょっと気になる。今では今日のエントリ2つだけの RSS になってしまった。ツッコミを含めない設定にしていても、ツッコミ量によって含まれるエントリ量が左右されたりするのかな…?

bird「白い犬とワルツを」, void 氏、mixi を強制退会処分に?

「白い犬とワルツを」

白い犬とワルツを テリー・ケイ著。少し前に、ある本屋の店員さんが「お薦め!」として紹介したところから草の根的にベストセラーになったらしく、しばらく文庫版が本屋さんでは平積みになっていましたね。前回の「犬は勘定に入れません」に続き、「犬つながり」ということで借りてみました。

物語は80歳を越えたサム・ピークがその妻を失うところから始まり、その後のサムの生活が、サムの子供達や、妻と入れ替わるように現れたまるで幻のような真っ白な犬との関わりから描かれています。人生の終幕を生きるサムはしかし、時に勇敢、時にユーモアにあふれ、妻や長年の友人達を日々失っていくことの寂しさを感じながらも、最後まで前向きに生きています。

この本はもしかすると、「死に方」に関する本と言えるのかもしれません。作者のケイさんはあとがきで、

わたしはこの『白い犬とワルツを』の材料を、わたしの目にわたしの両親の真実と映るものから得た。

「白い犬とワルツを」の「この小説を読んでくださった読者へ」より引用

と書いています。死に臨んで、こうありたい、と振る舞うことは、生きていくうちに行う以上に困難なことなように思いますが、ケイさんはご両親の姿からきっと多くを学び、それをこの本に記してくれたのだと思いました。

void 氏、mixi を強制退会処分に?

あはは。はちぽちより。void さんならやりかねないというかなんというか。僕がびっくりしたのは、彼、昔とまったく芸風変わっていないのですね。これはある意味すごいことだと思うぞ。
リンクされている日記へのコメントを見ていて思ったんですが、人って自分が正しいと信じていることを、間違いとかウソとかデマとか言われるとあっさり切れちゃうことが多いですよね。この場合の「間違い」がすっごく難しい問題とか自分でも自信がないような事柄ならばそれほど問題にならないこともあるんですが、その人が思ってもいないようなこと、小さい頃からやってきて意識すらしてないことなどだとかなりの高確率で怒り出すことが多いような気がします。ここでも問題になっていたような生活の知恵的なものとか。文字の些細な読み間違いとか。前者に関しては「自分の家族を侮辱された」ように感じてしまうのかな。
なので、実生活においてもその手の些細な間違いほど、指摘するのを躊躇してしまうことがあります。指摘しなくても自分にとっては実害ないし、指摘したら切れられるかも、と思うと、どうしても怖いですから。ただ、誰かが指摘してあげない限りその人はずっと間違えた知識を持ち (時にひっそり恥をかき)、場合によってはそれを広めてしまう危険性を考えると、ほんとはちゃんと指摘してあげるべきなんだろうなぁ、と僕は思うのですね。そういう意味で void さんの芸風には、いつもあきれると同時にちょっと感心してしまうのでした。

bird初・匠味

初・匠味

事前の儀式 日曜日、みんなで映画を見に行った折に、橋本 MOVIX の1階にあったモスバーガーに入りました。朝が遅かったせいもあってこのお昼ご飯も遅めで、お店に入ったのが 14:10 過ぎくらい。ふとレジの横をみると、おお、このお店は匠味のあるお店じゃないか、ということで、あゆみさんと二人で「初・匠味」してみました (思いっきり「いまさら」なのはご勘弁)。

実は、あゆみさんも僕も匠味を食べるならば「アボガド山葵 (ワサビ)」がいいなぁ、と思っていました。ただ二人して同じものを頼むのも面白くないので、今回はあゆみさんにそちらは譲って、僕は一番高い「匠味十段」を頼んでみました。驚いたのは、匠味を頼むと普通のレストランのようにランチョンマット (紙だけど) とナイフ、フォークが出てくるのですね。それに加え、「本日の製造責任者」なんてものが書かれたカードまでくれました。すごい演出だ。

匠味十段 こっちが僕の「匠味十段」。このハンバーガーは普通のハンバーガーとして食べることはもはや不可能です(笑。素材的には特選素材 (by どっちの料理ショー) が使われているとのことなんですが、卵とベーコン、ハンバーグ、トマト、タマネギと内容的にはごく普通のハンバーガーです。別に添付されていた和風デミグラスソースの存在に最初気がつかずに食べちゃったんですが、それでもちゃんと味は付いてました。普通にハンバーガーとして食べることを早々にあきらめたので、上のパン、卵、ベーコン…と上から順に食べていったんですが、下のパンを食べるころにはすっかりおなかがいっぱいに。一つで 1,000 円もする超高級ハンバーガーですが、量も半端じゃありませんでした(汗。

匠味アボガド山葵 こちらはあゆみさんの「アボガド山葵」。あゆみさんはがんばって普通のハンバーガーのようにして食べていました。曰く、「どうしてもソースが底に溜まっちゃうので、食べ始めた時と食べ終わる時で味が全然違っちゃう」とのこと。僕も一口食べさせてもらいましたが、あゆみさんがついていたワサビを全て使っていたせいもあって、とってもさわやかでおいしかった。あゆみさん的には量が多すぎたようで、次は匠味レタスで十分かも、と言っていました。

birdマイ ピクチャ スライドショー, tDiary 設定変更, 皇帝ペンギン

マイ ピクチャ スライドショー

Windows XP に標準で入っているスクリーンセーバ「マイ ピクチャ スライドショー」、「マイ ピクチャ」フォルダ以下のファイル数が多くなっても処理が遅くなったり止まったりしないし、なかなか気に入っています。

新しい VAIO 君でもこのスクリーンセーバーを利用しているのですが1、ふと、「マイ ピクチャ」以下の全てのファイルを読んでなさそうなことに気がつきました。比率で言うと大きな存在なはずの、最近撮った写真が全く出てきません。もしかして扱えるファイル数に上限がある?と思い、いろいろ調べてみると、下記レジストリで最大ディレクトリ数や最大ファイル数、最大不正ファイル数(?)などが設定されているようでした。

[HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Screen Saver.Slideshow]  
"PaintInterval"=dword:00000000  
"ChangeInterval"=dword:00002710  
"DisplayFilename"=dword:00000001  
"MaxScreenPercent"=dword:00000064  
"DisableTransitions"=dword:00000000  
"AllowStretching"=dword:00000001  
"AllowKeyboardControl"=dword:00000001  
"MaxFailedFiles"=dword:000003e8  
"MaxSuccessfulFiles"=dword:00020000  
"MaxDirectories"=dword:00010000  

こちらで“MaxDirectories”、“MaxSuccessfulFiles”をそれぞれ適当にあげてみたところ、無事全てのファイルが利用されるようになりました。

なおお約束ですが、Windows においてレジストリを直接操作するとシステムを破壊する可能性があります。もしこの変更をされる場合は自己責任でお願いします。

tDiary 設定変更

tDiary の RSS 作成用プラグイン、makerss.rb を CVS HEAD のものと置き換え、ツッコミごとに新しいエントリが生成されないようにしてみました。その代わりに「最近のツッコミ」8件2を左側へ表示するようにしました。
ツッコミに URL をそのまま書けない件については現在調整中。しばしお待ちを。
追記。URL 完全禁止から、以前と同じく URL 3つまでは投稿可能としました。その代わりに、同一の名前または Email アドレスからは1時間に1回しか URL を含むコメントを投稿出来ないような制約を追加しました。spammer が毎回名前&Email アドレスを変更するようになると無力なんですけどね。
今回の修正は comment_key filter&plugin を改造して行っています。また最近のコメントを得るのに recent_comment3 プラグインのキャッシュを利用しているので(!)、recent_comment3 プラグインを使っていない場合は正常に動作しません (なんて適当なんだっ!)。そんな適当なソースはこちら→tdiary/filter/key.rbmisc/plugin/ja/comment_key.rb
なお、僕は ruby についてはほとんど何も知らず、他のプラグインやフィルタのソースを見ながら見よう見まねで書いているため、とんでもないミスをしている可能性がありますのでご注意ください。

皇帝ペンギン

WATARIDORI」の DVD もとても面白かったので、こちらの映画も家族みんなで見に行きました。一番近所の南大沢 TOHO CINEMAS では上映していなかったので橋本の MOVIX へ。全席自由の普通の映画館と違って南大沢や橋本にあるようなシネコンはたいてい指定席で、子供を連れて並んで席取りをしなくてよいのはとても助かります。
南極での皇帝ペンギンの繁殖の様子を描いたドキュメンタリータッチの映画で、1時間ちょっとという長さは子供と一緒に見るのにちょうど良い感じでした。彼ら皇帝ペンギンの、地上で子作りをする際の不器用さと3、海の中でののびのびとした泳ぎっぷりのコントラストがなんだかとても面白かった。ペンギンって基本的に水の中で生きている鳥なんですね (今更何を言っているのだ>俺)。ペンギンたちの求愛ダンスがとんでもなく色っぽくて、これがおフランスの力なのか?!と驚きました。
p.s. ガンガン宣伝しなきゃいけないのに行くのが遅くなってしまってすみません>まつたけさん。

bird「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」, 衆議院議員選挙のこと, ところで

「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」

犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 コニー・ウィリスさんによる、ヴィクトリア朝タイムトラベル・ラブコメディ (とあとがきに書いてある)。このお話を読んでいる最中 (特に前半)、「スラップスティック」という言葉が頭に浮かんだんですけどこれって死語?(笑。

さてさて、このお話は主人公のネッド・ヘンリー君がタイムパラドックスとそれによって引き起こされるかもしれない時空連続体の崩壊を防ぐべく奮闘する、という話なんですが、時空連続体が一般に考えられているような受動的な物ではなくそれ自体に自己修復能力があって…という展開はちょっと新しいカモ1。万物の理論たる物理学と自由意志の問題、また量子力学の観測者問題 (不確定性原理) なんかも深いところできっちり織り込んだ出来の良い時間 SF だったと思います。作中、主人公とヒロイン・ヴェリティを始めいくつものロマンスが盛り込まれていて「ラブ」要素もたっぷり。ブルドックのシリルといじわる猫プリンセス・アージュマンド (ジュジュ) の掛け合いも面白可愛く、猫好き、犬好きな方も大満足。とっても楽しかった!

ところであとがきで知ったのですが、この本は「ドゥームズデイ・ブック」という本とシリーズになっているのだそうですね。「犬は〜」が完全な喜劇だったのに対して、「ドゥーム〜」の方は悲劇なのだとか。一般にシリーズ物というとそのテイストは一貫しているものが多い中で、片や悲劇、片や喜劇、というのも珍しいような気がします (ちなみにシリーズ三作目の「All Clear」はロンドン大空襲を扱ったもの、ということで悲劇になるのかな?)。同じ作者の「航路」ともども読んでみたくなりました。もちろんこの本の元となったジェローム・K・ジェロームのユーモア小説、「ボートの三人男」もね!

衆議院議員選挙のこと

小泉首相の「郵政解散」により 9 月 11 日に衆議院議員選挙が行われることになりました。各所のブログでも皆いろいろと議論をしているようで、いろいろと参考になることも多いです。
ただ、そのようなブログを読んでいて一つ感じたことがあります。ネットで小泉首相支持を表明しているブログのほとんどは、「郵政民営化は日本にとって必要な政策、だから今回は小泉支持」という論拠なのですね。どのサイトも、僕から見ると不自然なほど、郵政民営化以外の政策については言及されていません。
今回の解散がたとえ「郵政解散」で選挙が「郵政民営化選挙」だったとしても、行われるのはあくまでも4年間の任期を持ち、郵政民営化法案以外にも様々な法案を議論しなければならない衆議院議員の選挙のはず。「郵政民営化法案国民投票」ではありません。郵政民営化がどれほど重要な政治課題だったとしても、今後4年間それだけを議論し続けるなんてことはあり得ないはずで、またあらゆるトンデモ法案が通ってしまうかもしれない可能性を考慮してもなお通すだけの価値のある法案だ、なんてこともあり得ないでしょう。小泉さんのやり方が、圧倒的に大きな存在感のある論点で他の論点をマスキングし、選挙自体の意義を矮小化するという手法 (言い換えれば、衆議院議員選挙という本質的にわかりにくいものを、郵政民営化国民投票のようにわかりやすいものに変えて国民をだますやり方) のようにも見え、僕には少し気持ちが悪いです2
小泉さんはこれまでも与党総裁であり為政者であったわけで、郵政民営化以外の部分でもこれまでのものから大きく逸脱したことはしないはず、という暗黙の前提があるが故なのかもしれません。ただこの点にも僕は多少疑問があるのです。これまで与党自民党内には、小泉さんが総裁だとは言っても小泉さんとは異なる考え方を持ち、異なる意見を持った方が大勢いました。今回の郵政問題でもそうだったように、小泉さんはご自身の行いたい政策について党内のそういった異なる意見の持ち主と調整をしないことには前に進めず、そのことが改革の進みを遅くした反面、政策が必要以上に先鋭化してしまうことを防いでいた面があるのではないかと思うのですね。今回の選挙でいわゆる「小泉自民党」が大勝し政権を取った場合、今まで以上に「小泉色」の強い政権が誕生し、与党内にも小泉さんに反対する人たちがほとんどいなくなってしまう、というような状況になってしまうかもしれません。そうなると、これまで与党内反対派の存在により保たれていたバランスが崩れ、これまで以上に先鋭化した政策が次々に実行される可能性があります。
そもそも小泉さんの政策に賛成、という人にとっては杞憂に聞こえるのかもしれません。ただ僕は、「これまでの小泉さん」と「今回の選挙に大勝した後の小泉さん」が全く異なる政策を打ち出し始める可能性も0ではないように思えるのです。反対派の多数いる自民党内にあってすら、「国民の圧倒的支持」を背景に小泉さんは強大な力を誇ってきました。それがさらにエスカレートするという状況は、(たとえだれがその力を持つことになる場合であっても) あまり良いことではないような気がするのです。単なる杞憂ならば良いのですが…。

ところで

ほとんどちゃちゃだけど、たとえ今回の選挙で小泉自民党が大勝したとして、衆議院で郵政民営化法案が可決されたとしても、参議院のメンツは変わってないわけでまた否決されちゃう可能性ありますよね。その場合再度衆院で 2/3 以上の賛成が取れれば良いみたいだけど、さすがに小泉自民党+公明党で衆院の 2/3 を取るのは難しいんじゃないかなぁ。
まぁ「大勝した」という段階で無視できない民意がはっきりするわけで、それによって参院の状況も変わる (要は反対派を封じ込められる)、というのが小泉さんのシナリオなのかしら。

bird全ての情報は IP で流れる, その後の VAIO 君

全ての情報は IP で流れる

DLNA の流れや Sony のロケーションフリーとかルームリンク、言わずと知れたネットワークメディアプレーヤー達 (1, 2, 3) から先日発表になったカノープスの新製品などを見ていて、近い将来、家庭内情報流通は全て IP 上に統合される日が来たりして、とふと思いました。
現在、家庭内の映像情報、音声情報は非常に多種多様な経路、形態を通してやりとりされています。例えば映像ならばデジタル/アナログな放送波や DVD メディア、Internet 上のコンテンツなどから始まって、コンポジット/コンポーネント/HDMI 端子を経由してディスプレイへ。音声にしても、様々なソースを様々な経路・形態を通してアンプへ送り、スピーカーから出力しています。このような、いわゆる「メカに詳しい人でないと配線すら出来ない」というような状況も、アナログ時代においては信号の重畳にも限界があったしそもそも重畳なんかすると信号品質が落ちる、ってことで仕方がない面があったと思います。しかし、あらゆる情報がデジタルフォーマットで扱われるようになれば、重畳によるデメリットはなくなり、帯域が許す限りあらゆる情報を単一の経路を通して送ることがごく簡単にできるようになります1。デジタルデータを取り扱う統一的なプロトコルがありさえすれば、物理的な伝送路の規格についてはその用途や利用形態などで適切なものが選べばよくなります (長い経路長が必要なら Ethernet とか、スループット保証が必要なら IEEE1394 とか、無線 LAN とか電灯線 LAN とか…)。
ツルピカ液晶を装備したノート PC が増えてきた結果、家の中を移動しながらムービーを見たい、というニーズをとらえて上で言及したカノープスの製品のようなものが出てきました2。また、放送や DVD 以外に、Internet から入手されるムービーの量が増えてきたことを受けて、ネットワークメディアプレーヤ市場も立ち上がりました。それらは必然的に、現在の PC にとってもっとも自然な通信手段、IP を用いて通信されることとなりました。家庭内ネットワークにおいて AV 情報をやりとりするための DLNA においても、ごく当たり前のように IP が利用されることとなりました。このまま、全ての情報流通が IP 経由になってしまえば、いろいろとメリットがありそうじゃないですか。
そのような世界観からすれば、カノープスの製品のような機能は例えば DVD/HDD レコーダが備えるべきです。DVD レコーダも最近は Ethernet ポートを持つものも珍しくなくなってきましたから、技術的にもそれほど難しいことではないはず3。また、ネットワークメディアプレーヤのような機能はディスプレイ側に内蔵されるのが自然です。これも最近のデジタル放送対応テレビであれはそもそもある程度のデコーダを内蔵しているはずですから、そんなに難しい話ではないでしょう。余談ですが、MPEG2 ストリームなどのソースデータからのデコードエンジンと実際に表示されるデバイスが近くにあるということには大きなメリットがあって、ソースデータのポテンシャル、表示デバイスのポテンシャル双方を余計な制約なしに最大限に発揮できるようになります。こと映像に関しては、今後ユーザの手にするコンテンツはほぼ例外なく圧縮されたものであることを考えると4、そのストリームをデバイス直近までそのまま伝送可能な方がいろいろとリーズナブルなことは明らかでしょう5
もちろん、いろいろ問題も思いつきます。例えば、ゲーム機や PC など、非圧縮映像ソースを自ら生み出しうるデバイスの場合パネルと非劣化デジタルフォーマットで直結したくなるかもしれません。また、ソースの MPEG2 ストリームを例えば AV アンプ、ディスプレイ等で使い回す場合、デコードに要する時間 (タイムラグ) の差によって同期が乱れる可能性があり、なんらかの対策が必要そうです (デコードを一カ所で行ってそこからアナログ/リアルタイムデジタルで伝送する仕組みの場合はそのような同期問題に頭を悩ませる必要はありません)6。そうだとしても、AV 機器を買ってきて自宅 LAN に join させさえすれば、他の機器上にあるデータを自由に扱える、またその機器のデータも自由に流通させられる、という世界になれば、すごく使いやすそうだと思ったのでした。

その後の VAIO 君

増設メモリの件は、別の店で買ってきた7さらに安い8 ELPIDA 製チップの載った 512Mbytes PC3200 DDR SDRAM モジュールを差したところ無事動作し、memtest86 もエラーフリーでパスしたためとりあえず解決。良かった良かった。
全体的な印象としては今のところケチの付け所がないくらい良いです。懸念していた動作音も、起動直後、内蔵された3つのファンがフルスピードで回転している瞬間だけは激しくうるさいですが、その後はすぐに静かになって今まで使っていた VAIO くんよりも静かなくらいだし、液晶も明るく、視野角もとても広いです。
将来のためのメモ。VAIO type M の HDD 換装手順のページ。リカバリ DVD-R も作ったので HDD がクラッシュしたり容量が足りなくなったらこちらの手順を参考に入れ替えに挑戦してみようっと。

birdVAIO type M VGC-M22/W

VAIO type M VGC-M22/W

Sony VAIO type M VGC-M22/W ついこの間ゆっくり考えるなんて言っていたのに、いったん考え出すともう止まらない。ディスク残り容量1や置き場所のこと、キーボードの使い回し2から Digital8 で撮影したホームビデオのこと3まで考えて、えいやっと新しいパソコンを買ってしまうことにしました。今のあゆみさん PC は何しろ MMX Pentium 166MHz ですから<ヒツコイ(笑、たとえ激安 PC を買ってもきっと感動できるくらい高性能に感じるに違いない、と思ったこともあります。

置き場所が限られていることもあってミニタワーや大きいデスクトップは最初から除外した上で、ノート PC か、または小さいデスクトップ PC についていろいろ情報を集めてみたところ、ノートと省スペースデスクトップで比較すると、同じくらいの価格帯では特に HDD 容量に大きな差がありました。2.5inch の HDD を使わなければならないノート型ではどうしてもせいぜい数十 Gbytes クラスの HDD になってしまうところ、3.5ich の HDD が使えるデスクトップモデルでは安いものでも 100Gbytes 超の HDD を搭載しています。そこで今回は省スペースデスクトップのモデルにしてみることにしました。

なお、金額に関してあゆみさんと相談した結果、今回は「10万円以下」で行こう、という合意が出来ていました。10万円以下の省スペースデスクトップとなると、一気に選択肢は少なくなってしまいます。そんなこんなで今回、主に光学ドライブのスペックと、普段リビングに設置することから本体のデザイン、広い意味でのユーザインターフェイス (キーボードやディスプレイなど) と設置環境のマッチングを重視してみた結果、冒頭の「Sony VAIO type M VGC-M22/W」に決めました。税込み 98,000 円ナリ。

type M の最廉価モデル M22/W はちょっと面白い位置づけのマシンで、いわゆる PC として中心となる機能、CPU4 やチップセット5といった部分はとことん安くあげている代わりに、15.4型ワイド液晶 (1280x800) は多層 AR コートされたクリアブラック液晶だし6、光学ドライブも DVD+R 2層記録にも対応した DVD スーパーマルチドライブだったり、廉価機にしてはナカナカ凝った本体デザインをしていたりするところが、今回の我が家のニーズにはピッタリでした。PC 的な面は今までと比べれば何を持ってきてもびっくりするくらい改善するだろうし、今後も出来るだけ長く動いてもらいたいことを考えるとディスプレイや光学ドライブなどの外部とのインターフェイスがしっかりしてくれていた方がうれしいのです。

というわけで、あゆみさん PC はようやく MMX Pentium 166MHz から卒業して、遅ればせながら我が家初の GHz マシンとなりました。

ちなみに、標準の 256Mbytes メモリだけでは心許なかったので一緒に 512Mbytes のメモリも買ったのですが、見事に相性問題にぶつかってしまいました。元々刺さっているものと2枚同時に差すと動作せず、どちらか片方づつならば全く正常に動作します。ちなみに元々刺さっていたのは Infineon 製チップの載ったもので、今回買ったのが PQI というメーカーのものでした。幸いなことに今回購入したショップ7に相性保証制度があったため、とりあえず PQI 製メモリは返品させてもらえることになりました。新たにメモリを探さねば…。

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